『ニッポンの子育て』

井上きみどり『ニッポンの子育て』(集英社文庫 2004)を読む。
『子供なんか大キライ!』という漫画の連載を持つ漫画家の著者が、SM女王や、十代夫婦、子タレなど様々な母親の家を訪ねて、ニッポンの子育ての実状に迫る。他に、韓国人夫婦や心障児の子育て、北海道・沖縄の子育て、受刑者の子育てなど、かなり極端な子育てを取り上げているが、そのどれもが普通の子育てであり、子どもとの接し方に大きな違いはない。
最後に著者は次のように語る。

印象的だったのは取材依頼すると全員が開口一番こう言ったことだ。「別にうちは普通ですよ」そうなのだ。一見、珍しく見える家庭の子育てに実は「普通」なところが多く、普通そうに見える家庭の子育てがどこか変わっていたのは、意外な発見だった。つまり、どの家庭も自分の家庭と同じで、どの家庭も自分の家庭と違っているところがあるのだ。この発見こそが、この本のテーマである。

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