竹中平蔵『あしたの経済学:改革は必ず日本を再生させる』(幻冬舎 2003)を読む。
前作の『みんなの経済学』同様、マクロ経済学の視点から2003年当時の日本の置かれている経済状況をきちんと数量的に分析し、分かりやすく読者に伝えている。
在任時は前面に立つ小泉総理ばかりが目立っていたのであまり分からなかったが、小泉改革のほぼ全てがこの竹中氏のアドバイスによるものだったということがこの本を読むとよく分かる。
生き馬の目を抜く世界市場で生き残るための構造改革を断行すべきであり、そして稼ぐ力のある分野に資本と労働力を集中し、企業も地方公共団体も個人も「自助努力」を公是とし、失業や倒産を恐れずチャレンジしろと発破をかける。
しかし、「日本型ワークシェアリング」の推進という美名の元で、「改正労働者派遣法」が施行され、労働雇用の流動化がごり押しされ、現在表面化しているグッドウィルの二重派遣問題などにつながっていく因果関係は確と見極める必要があろう。
『あしたの経済学』
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