『かまいたち』

宮部みゆき『かまいたち』(新潮文庫 1996)を読む。
1992年に刊行された単行本が文庫化されたものである。江戸を舞台にした彼女の初期の短編集である。サスペンス色の強い表題作の『かまいたち』、人間の欲望にふれた『師走の客』、そして超能力をテーマにした『迷い鳩』『騒ぐ刀』の4編が収められている。初期の作品ということであるが、緻密なプロットで非の打ち所がない。
あえて、評するならば、「シルバニアファミリー」のような箱庭的な世界の中で、複雑な人間関係のドラマが展開されると言うべきか。

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