『ラジオデイズ』

今夏はこれからの10年を案じるに、一番余裕がありそうな夏になるかもしれない。今年は高校3年生の担任を受け持ち、10年次研で10日近くの研修をこなしつつ、まだ首の座らない子どもを抱えて、齷齪する毎日を送っていることになるのだが、昨年までの足下掬われるようなことは今のところ無い予定だ。
今後の10年に向けた元気を養う40日間としたい。
やはり私は、道着をしっかりと着て汗を流し、読書によって自分の視野と心の限界線を拡げ、日記をつけることで自分の拠って立つ位置を確認する作業が必要である。学生時代からの習慣を改めて実践していきたい。

第34回文藝賞受賞作である、鈴木清剛『ラジオデイズ』(河出書房新社 1998)を読む。
過去とも断絶し、未来にも希望が描けないけだるい20歳前後の青春期を描く。登場人物の次の言葉が印象に残った。

(やりたいことを)口に出せば出すほど、言葉で形になっちゃうんだよ。形になっちゃったらさ、人間はもう行動しようとしないんだぜ。喋ることでエネルギー使い果たしちゃうんだ。カズキの周りにもいるだろ。熱く語っているやつら。ああいうのは、それで終わりだな

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