『貧困大国ニッポン』

門倉貴史+賃金クライシス取材班『貧困大国ニッポン:2割の日本人が年収200万円以下』(宝島新書 2008)を読む。
先日読んだ、数字やグラフだらけの三浦展著『格差が遺伝する!』とは違い、こちらは100人あまりの「ワーキングプア」の体験談である。しっかりと働いても生活保護水準(06年現在、194万6040円)以下の生活を余儀なくされている「働く貧困層」が1023万人にのぼるという。

昨年派遣労働が問題になったが、派遣の仕事すらなくホームレスになったり、風俗の仕事すら無く極貧生活を強いられる20代、30代の若者の声が寄せられている。私と同じ30代半ばの人たちが貧困のスパイラルに落ち込んでいくのは看過できない問題である。

著者は貧困が「自己責任」だという無責任な論調に批判を投げかける。このままその日暮らしの貧困層が拡大してしまうとデフレスパイラルが進行し、やがては日本がメルトダウンしてしまう、そのため、まずは先進国最低レベルの「最低賃金の見直し」と、「同一価値労働同一賃金」の実現を目指すことが大切だと著者は述べる。

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