『インストール』

綿矢りさ『インストール』(河出書房新社 2004)をお風呂で一気に読む。
昔読んだ気もするのだが、幸い話の内容は記憶の片隅にも残っていなかったので、ちゃんと楽しむことができた。
評論家風に内容を概括すると、受験一色に染まりつつあう教室にも、母と二人暮らしの家庭にも、そして現実を偽れるネット上のチャットレディの世界にも自分 の居場所を見つけられなかった女子高生。その彼女が、実の母の一言がきっかけで、再びありのままの自分の姿をこの現実世界に準えようとする青春小説ってな 感じだろうか。
とりわけ若い女性グループを支配する「間」というか「空気」に馴染めない女子高校生の本音がうまく表現されていると思う。

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