NPO法人三番瀬環境市民センター『海辺再生:東京湾三番瀬』(築地書館,2008)をパラパラと読む。
三番瀬とは、東京湾のいちばん奥、千葉県市川市と船橋市沖に広がる干潟・浅瀬のことである。そもそも干潟とは水深1メートルよりも浅い海域で、干潮時に干出して陸地となる場所である。特に三番瀬は河口に位置する汽水域なので、ノリやアサリ、ハゼ、カキなど豊富な生態系を抱えている。
ホームページも閉鎖されており経緯は分からないが、千葉県のホームページで確認したところ、県庁主導でラムサール条約登録促進事業を展開している。また、ふなばし三番瀬海浜公園として干潟が残され、園内にはふなばし三番瀬環境学習館が設けられ、子ども向けのワークショップなどしっかりと行っている。公園以外の地域は直立海岸で囲われてしまったものの、市民運動が行政を動かし、市民公園として保存されるという所期の目的を達した先行事例として覚えておきたい。
