『アジアに共に歩む人がいる』

川原一之『アジアに共に歩む人がいる:ヒ素汚染にいどむ』(岩波ジュニア新書,2005)をパラパラと読む。
著者は早大卒業後、朝日新聞の記者として宮崎県土呂久のヒ素鉱毒被害者の取材を重ねるうちに、新聞記者を辞め、アジア砒素ネットワークを設立し、アジア全体のヒ素汚染の調査・対策に取り組むようになった方である。

ヒ素は自然界中に存在するものであり、人間の経済活動が生み出した公害とは言い切れない。ただし、多くは比較的新しい地層にあり、農業や鉱業で地下を掘り進めるうちに流出することが多い。執筆当時アジア最貧国とも呼ばれていたバングラデシュでのヒ素鉱毒の調査の模様が報じられている。