『「いい人」なんて、もうやめた』

松原惇子『「いい人」なんて、もうやめた』(すばる舎 2004)を読む。
著者は「クロワッサン症候群」の言葉を生み出した作家である。ざっくりまとめると、他人の評価ばかり気にせず、自分の生き方をしようという啓発本である。女性向けの本なので、いまいち入ってこなかった。

人から好かれたいという気持ちを捨て、自分を見て歩くようになると、かまわれることより、無視されることに喜びを得るようになるから不思議だ。無視されても充実して生きていけるというのは、人から解放されている証拠ではないだろうか。

いつも人を求めていては、外ばかりに気をひかれているので、自分をつくることはできない。
無視されたときこそ、自分らしく生きるチャンスなのだ。だから無視されるって、決して悪いことではないのですよ。
昔なら、わたしのことをよく言っていたという話を聞くとうれしかったが、いまは話題にしないでいいのにと、心の中で思う。人がどう思うかより、自分で自分が納得できる人に、わたしはなりたいと思っているからだ。
何とでも言ってちょうだい。そう思えるようになると、生きるのがラクですよ。不思議なことに、「いい人をやめてそのままの自分で生きていると、いつの間にか、まわりに人が集まってくる。人は、本当は「自分らしい人」にひかれるのでは。