阿川佐和子『笑ってケツカッチン』(筑摩書房 1988)を読む。
最初はパラパラと読み流そうとしたが、文章に妙な魅力があり、最後までじっくりと読んでしまった。著者の阿川さんは大変聞き上手で、テレビ番組『ビートたけしのTVタックル』の進行役として知られる。そんな阿川さんが雑誌「婦人画報」に連載した家族に関するエッセーを中心に、他の雑誌に寄稿したものがまとめられている。
作家阿川弘之さんの素の姿がよく理解できたし、留守番電話や80年代半ばのお見合い事情、電子レンジなど、日常生活の一コマに著者ならではの感性というスパイスが加えられ、美味しい料理に仕立て上げられたという内容であった。大変貴重な時間となった。