「新型コロナ発生源」

本日の東京新聞朝刊に、新型コロナウイルスの発生源を巡って、オーストラリアと中国の関係が悪化しているとの記事が掲載されていた。

オーストラリアというとコアラやカンガルー、ラグビーなどのイメージが強い。英語圏のオーストラリアと中国の関係と言われてもピンと来ない人も多いでしょう。確かに1960年代まで、オーストラリアの最大の貿易相手国はイギリスでした。入植以来、経済的・文化的にイギリスの影響を強く受けてきました。しかし、1973年にイギリスのEC加盟を契機として両国間の貿易は次第に減少していくことになります。

そして、1989年にオーストラリアの働きかけによってアジア太平洋経済協力会議(APEC)が結成されると、域内の貿易や投資の自由化・円滑化が促進され、経済・技術協力だけでなく、参加国間の安全保障や気候変動問題などについても話し合いがもたれている。APEC発足後、オーストラリアはますますアジア諸国との結びつきを強め、特に中国や韓国から多くの留学生を受け入れるまでになっている。

こうした情勢の中で、オーストラリアと中国との関係が険悪になるというのは好ましいものではない。特に日本はオーストラリアに鉄鉱石や天然ガスなど多くの資源を依拠している。アジア諸国を代表する大国としてアセアンとの連携を密にしながら、中国とオーストラリアの関係を取り持つような外交手腕を期待したいところである。