須藤元気『須藤元気・幸福論』(ネコ・パブリッシング 2005)を読む。
元格闘家で学生レスリング日本代表監督と拓殖大学レスリング部監督を務める著者が、現役中に四国八十八カ所巡礼の旅で書かれた作品である。私自身が自転車で四国八十八カ所を巡ってみたいと思い手にとってみた。20代の青年らしいポエム調の旅日記と敬虔な仏像の写真が妙に噛み合い、中身のない軽薄な文章なのに人生の重みが少し感じられる不思議な作品であった。
僕も一人になって、知らない場所を歩きながら「歩き瞑想」をしてみたかった。
「人生で大切なのは、本を読むこと。人の話を聞くこと。そして、旅をすること」
以前何かの本で読んだこの言葉をふと思い出して、僕は旅に出ることを、それも一人でじっくり自分自身と向き合える旅に出ることを、考え始めた。