『ピアノはともだち』

こうやまのりお『ピアノはともだち:奇跡のピアニスト 辻井伸行の秘密』(講談社 2011)を読む。
上の子の読書感想文を書くために購入した本である。辻井さんの努力や成長、感謝が全面的なテーマとなっており、どの章を読んでも感想文の材料には困らないように配慮されている。「ショパン国際ピアノ・コンクール」での最年少参加や、「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」での日本人初の優勝などの裏では、様々な人たちが関わり合い、そしてその期待に真摯に答えようとする辻井さんの姿が描かれている。
1歳半でピアノを習い始めたり、譜面を全く読まずに暗譜のみで1時間近い作品をノーミスで弾いたり、まさに「神童」という言葉がしっくりくる辻井さんのエピソードも数多く紹介されている。
「障害者」だからという見方は全くなく、一人の「音楽家」としての取材を続けている著者の思いもよく伝わってくる。

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