『異端の系譜』

中西茂『異端の系譜:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス』(中公新書ラクレ 2010)を読む。
1990年に神奈川県藤沢市遠藤に開学し、総合政策学部と環境情報学部の2学部を擁する慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスの20年の歴史と展望がまとめられている。
三田や日吉とは異なる微妙な立ち位置について触れながらも、慶応大学のポリシーともなっている「半学半教」を地でいく学習スタイルや、教職員の創意工夫、卒業生のバイタリティーなど、SFCの魅力をこれでもかとアピールする内容となっている。
既存の大学や学部に飽き足らない開設当初の教員や、キャンパス内の空き地で農園を作った学生、NPO法人や起業にどんどんチャレンジしていく卒業生など、タイトル通り「異端」な大学の人脈の「系譜」が紹介されている。インターネット研究の第一人者である村井純氏や、初代総合政策学部長となった加藤寛氏、『NPO法人カタリバ」を立ち上げた今村久美さんの活躍の様子やコメントを読んでいると、改めて大学という場の可能性について考えてしまう。
通信教育も終わってしまったので、次は何を学ぼうかと考えていたところだったので、数年後に想いを馳せながら読むことができた。

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