西村京太郎『紀伊半島殺人事件』(祥伝社文庫 2003)を読む。
物語の半分ほどまでは、不可解な連続殺人事件で謎が深まっていき、東京と和歌山の警察が右往左往する姿に関心が高まっていった。この辺りの展開は西村氏一流のリズムであろう。しかし、後半に入ると、お馴染みの十津川警部の推察した展開そのままに現実が動いていき、「前半までの捜査は何だったんだ」とツッコミを入れたくなってしまった。せっかく地図を広げて楽しみにしていた空想上の旅気分が台無しになってしまった。
『紀伊半島殺人事件』
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