樋口康彦『崖っぷち高齢独身者:30代・40代の結婚活動入門』(光文社新書 2008)を読む。
富山国際大学で教育社会心理学の講座を担当する著者が、自身の38歳から始めた結婚活動の社会的な位置付けに始まり、数年にわたるお見合いパーティーや結婚相談所でノウハウを語る。自ら「結婚弱者」を自認する著者は、「男女とも30代半ばをすぎている人の、自分はまだ『格好いい』『モテる』などといった考えはしょせん幻想でしかない」ときっぱりと言い切る。そして、結婚問題は個人的な嗜好の問題ではないと論じる。フリーター・ニート・引きこもりといった社会にうまく適応できない人の増加と、晩婚化・未婚化は、共にコミュニケーション弱者であるという根っこでつながっている。そのため著者は、きちんとした常識や他人にきちんと対応できるスキルを身につけ、真剣かつ誠実に、そして傷つくことを覚悟しつつ捨て身で自分を変えていく必要性を訴える。
『崖っぷち高齢独身者』
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