嶺重慎・有本淳一『天文学入門:星・銀河と私たち』(岩波ジュニア新書 2005)を読む。私たちがいる太陽系、天の川銀河、そして宇宙とスケールを拡大しながら、天文学の世界について分かりやすく説明している。ブラックホールや元素、ドップラー現象など少し難しめの内容も丁寧に解説されている、まさに岩波ジュニア新書の良心の塊のような内容であった。また著者に当時春日部女子高校に勤務されていた鈴木文二先生も名を連ねている。
月別アーカイブ: 2020年12月
論述採点終了
6時間ほどかけて、地理と世界史の論述の採点が終了しました。模範解答と採点のポイントをそれぞれのページに掲載しました。まだマークの点数と合わせていませんが、論述は2組が一番出来ていたように思います。
傾向がつかめたのか、全体的に読みやすい答えが多かったです。一文を短く、頭(主語)を軽くし、接続詞で繋いでいく書き方に慣れれば、英語や理科の試験でも十分通じる記述が書けるようになります。次回の3学期期末は全部マーク式になりますが、是非覚えておいてください。
一方で、漢字の間違いや漢字で書くべき語のひらがな表記が目立ちました。地歴の試験なので、過度には減点しませんが、小論文入試では致命的です。漢字検定2級レベルは書けるようにしてください。
100名超の生徒の文章を見るのは辛いですが、赤鉛筆片手に添削するのは楽しい作業でもあります。
『早実vs.駒大苫小牧』
中村計・木村修一『早実vs.駒大苫小牧』(朝日新書 2006)を読む。
タイトルと発行年を見れば、斎藤佑樹と田中将大の甲子園の決勝戦の舞台裏を描いたルポルタージュである。但し、二人のエースよりも、チームメイトや監督などの甲子園を迎えるまでの流れが丁寧に綴られている。
『国境なき医師が行く』
久留宮隆『国境なき医師が行く』(岩波ジュニア新書 2009)を読む。
三重県で外科医として20年を超えるキャリアを誇る著者が、仕事を辞めてリベリアで国境なき医師団の一員として着任し、とんでもない怪我人と向き合う様子が描かれる。
こうした国際交流関係の本は、やたら能書きを垂れるような内容が多いのだが、本書は一人の外科医として症状や手術の細かい点などが綴られる。しかし、そうした患者とのやりとりの中で、リベリアの抱える貧困が垣間見えてくる良書である。こうした本こそオススメしたい。