貞本義行漫画・カラー原作『新世紀エヴァンゲリオン』(角川コミックス・エース 2014)を読む。
角川の漫画雑誌『月刊少年エース』などに連載され,休載を含め1995年から2013年まで足掛け19年をかけて完結した長編漫画である。
TV版の内容と全生命が一体となる人類補完計画を描いた旧劇場版の内容を踏まえたものとなっている。来年に公開される完結編の映画の予習として,しっかりと取り組むことができた。
12巻までは夏に一気に読んだのだが,13巻が手に入らず3ヶ月ほど放り出していた本である。確か新宿のコマ劇場前の映画館だったか,大学時代に友人と映画を観た後に語り合った場面がふと記憶の奥底から浮かび上がってきた。
手塚治虫の『火の鳥』に似た生命観,「心の隙間をお埋めします」の文句で有名な喪黒福造,子宮回帰願望,生命誕生前の有機物のスープなど,とりとめない言葉が思い浮かんでは泡のように消えていく。ポエムのような世界観を持った作品であった。