日別アーカイブ: 2019年10月28日

自転車整備

16インチ自転車の整備を始める。カーズのオリジナルシールの付いたパーツも多いので、走る曲がる止まるの3点につき、最小限の整備に留めたい。

『朱鷺の墓』

五木寛之『朱鷺の墓』(新潮文庫 1978)を30年ぶりに読み返す。
1969年から1978年にかけて雑誌「婦人画報」に連載された作品で,3巻にわたる長編小説である。高校時分に購入した文庫本の奥付に平成2年8月刷りとなっていたので,高校2年生の後半か高校3年生の時に読んだ本である。あまり印象は残っていなかったのだが,当時とは物の感じ方も変わったのか,久しぶりに長編を読み終えた読後感に浸ることができた。

国際政治という荒波に翻弄されつつも,性愛を確かめ合う二人の男女の数奇な人生が描かれる。著者の五木氏がどこかの対談集で述べていたのを記憶しているのだが,「生」は「性」や「政」につながるものだという五木氏の考え方が作品の底流に流れている。国家やら民族やら目に見えない仕組みや壁,運命にぶつかり悩みつつも,一人の人間というスタンスを見据え,逞しく生きていこうとする主人公染乃に勇気をもらうことができた。

それにしても高校時代にこんな本を読んでいたんだと,改めて過去の自分の思考の形成を垣間見ることができた。