台風10号が近付く中,車で千葉県市原市の養老川沿いにある「地球磁場逆転期の地層」(登録申請名称:チバニアン)を見に行った。
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『abサンゴ』
第148回芥川賞受賞作,黒田夏子『abサンゴ』(文藝春秋 2013)を1ページだけ読む。
芥川賞受賞時に75歳という年齢が注目を浴びた作家である。横書きで書かれた表題作の他,著者が20代の頃に書いた「タミエ3部作」が収録されている。「abサンゴ」は失礼ながら,夏目漱石の『夢十夜』のつまらなさと樋口一葉の『にごりえ』のような違和感を組み合わせたような作品で,全く読む気がしなかった。
1963年に発表された小説「毬」の中に,グリコ・チョコレイト・パイナツプルの遊びが紹介されていたのが目を引いた。私たちの頃と全く同じルールで「へえ〜」と思った。日が落ちて暗くなったり段々距離が開いたりして,お互いの出した手の形が見えなくなり,大声で自分の出したのが何であるか叫び合ってインチキをするというくだりは小学校時代を思い出して面白かった。
『スカイ・クロラ』
森博嗣『スカイ・クロラ』(中央公論新社 2001)を読む。
延々と感情移入できない場面が展開されるだけで,最後まで読み終えたものの,純文学作品にありがちな作者の思い込みのみが印象に残る作品であった。
10年ほど前に押井守監督の映画を観たことがある。その時は劇場型戦争や兵士の苦悩を描いた作品として感動したのだが,原作の方はいただけなかった。
「混迷のイエメン内戦」
夏期講習で,一人あたりのGNIを尋ねる問題において,「中東最貧国」と失礼な紹介をしたイエメンに関する記事が掲載されていた。
記事を読んでも,内戦の勢力図はよく分からない。但し,国連が「世界最悪の人道危機」と表現するように,国民の3人に1人にあたる約1千万人が飢えに苦しんでいるというのは看過できない情勢である。1990年の南北統一後も続く確執に加え,サウジアラビアのスンニ派とイランのシーア派との宗教戦争,さらには紅海に面した地政学的な大国の対立もあり,「紛争のデパート」のような状態になっている。
日本のタンカーも年間2000隻近くがイエメンに面したスエズ運河−紅海を通行しており,日本政府も自衛隊派遣を検討している。ここまで事態が複雑化したイエメンについては,「有志連合」なる英米主導の軍事連合ではなく,国連安保理の枠組みの中で議論し,日本も何らかのアクションをすべきなのであろう。