原尻英樹『「在日」としてのコリアン』(講談社現代新書 1998)をパラパラと読む。
教材研究の一環として,昔購入した本を読み返しているのだが,同じテーマの本が続いているので,分かったふりをしてさらっと読んだ。
在日韓国人・朝鮮人の政治的な差別や運動というよりも,在日の今日的定義付けに紙幅が割かれている。在日4世・5世ともなると,韓国や北朝鮮に帰国しようとする気はほぼ皆無であり,さりとて日本においそれと帰化もできない。韓国人・朝鮮人として日本で永住していくという,一見分かりやすいような分かりにくいようなアイデンティティとなる。
「在日」の定義付けの難しさは裏返せば,「正しい」日本人の定義にも繋がってくる。一体歴史的に血統的に正当な日本人は,日本国内に何人存在するのであろうか。天皇も朝鮮半島の血が入っており,「生粋な」日本人の枠組みからは外れていく。今上天皇自身が「在日××世」である以上,在日と日本人の明確な定義付けそのものが意味をなさなくなっている。
ちょっと疲れているので,頭が回らない。何が言いたかったんだっけ。