『フィンランド 豊かさのメソッド』

堀内都喜子『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社新書 2008)を読む。
フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院に留学した著者が,一人の日本人から見たフィランド人の日常を語る。
フィンランドの豊かさとタイトルにあるが,フィンランドは人口500万人強に過ぎず,資源が豊富にあるわけでもなく,スウェーデンとロシアの大国に挟まれ,歴史的にも決して豊かであった国ではない。
しかし,教育に力を注ぎ,学齢期の子どもだけでなく,国民誰しもがいつでも自由に学ぶ環境が整備されている。また,労働時間も短く,その分だけ自分の人生や趣味,家族と充実した時間を過ごしたり,ステップアップする勉強にあてたりすることができる。
こうした男女の差別もなく柔軟な,深みのある社会こそが豊かな社会ではないかと著者は述べる。