月別アーカイブ: 2016年12月

『どろろ』

手塚治虫『どろろ』(秋田文庫 1994)全3巻を一気に読む。
原作は1967年から68年にかけて、「週刊少年サンデー」に連載された漫画である。
手や足、目や耳など人体の48ヶ所を妖怪に奪われたまま生まれた百鬼丸が、両親の酷い死を目の当たりにして育ったどろろを連れ、妖怪を退治しながら少しずつ身体を取り戻していく旅を続ける。人間の業や幸福の本質といった深いテーマも散りばめられているのだが、連載打ち切りのため、未完で終わっているのが残念である。

『仮面ライダー平成ジェネレーションズ 』

坂本浩一監督『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エ グゼイド&ゴースト with レジェンドライダー』(東映 2016)を観に行った。
真ん中と下の子と観たのだが、「タア!」とか「トオ!」とかの掛け声が繰り返される戦闘シーンばかりで、観ているだけで少々疲れた。ウィザード、ガイム、ドライブ、ゴースト、エグゼイドなどの過去のライダー揃い踏みで、子どもたちは満足していたようだ。

『学校という舞台』

山口昌男『学校という舞台:いじめ・挫折からの脱出』(講談社現代新書 1988)を読む。
随分長く本棚に眠っていた本である。
各地で行った講演の内容をまとめたのものなので、統一感に欠けるが、いじめの構造や子どもの本質、親子関係の変化について分かりやすく説明されている。また、講演に加えて掲載されていた、著者自身のの子どもの頃から人類学の研究者になるまでの逸脱ばかりの自伝的学校論の方が面白かった。
最後のあとがきの一節が印象に残った。

階層秩序の体型のなかに人間を貼り付けるための教育は、執拗な努力により無化しなければならない。そのために、普通、挫折と思われている現象のなかに一人の人間の多様性を見出し、それをバネに転化しうるきっかけが含まれていることが改めて確認される必要がある。(中略)国際社会のなかで日本人が強靭なバネを身につけて生き残るための手がかりは、むしろ、こうした部分に求められるのではないか。

『40歳からの記憶術 想起力で差をつける』

和田秀樹『40歳からの記憶術 想起力で差をつける』(ディスカヴァー新書 2012)を読む。
単に「情報」をむやみに頭に詰め込む暗記術ではなく、受験からはるか遠ざかってしまった40代でも、効果的に記憶し、仕事の現場で活用する「知識」に高めていくコツが分かりやすく説明されている。

  1. テーマにそって、新しい情報をインプットしながら、文章にする。
  2. 何度も使う。
    名前は、「○○さんは」と、会話の中に入れて、声に出して繰り返し言いながら覚える。
    メールでは、社名や役職名、フルネームで宛名を書き、文中でも使うようにする。
  3. エピソード記憶二する。
  4. 覚えたい事柄について、納得するまで理解を深める。
  5. インタレストをもつ。
  6. コンセントレーションの落ちない状況に自分を置く(十分な睡眠)
  7. 情報を保持・貯蔵するには、復習・反復練習!
  8. リハーサルを重ねる。
  9. 周辺情報をくっつけて、キューをちりばめておく。
  10. 感覚器や身体活動も含めたセットとして覚える。
  11. 出力がスムーズに続く、つながり(経路)をつくる。
  12. 覚えることを減らす。
  13. 入力の割合を下げ、出力の割合を上げる。
  14. 緊張しないでいられる状態をつくる。
  15. 出力の機会を増やし、想起の習慣をつける。
  16. 効果的なアウトプットから逆算してインプットする。
  17. 知識を加工して覚える。
  18. 覚える項目は減らしても、一つひとつの付帯情報は増やす。
  19. スピーチなどでは、原稿、シナリオを用意する。
  20. 想定問答を作って、誰かとロールプレーイングを行う。