月別アーカイブ: 2014年12月

『危ない世界一周旅行』

宮部高明『危ない世界一周旅行』(彩図社 2009)を読む。
世界地図を片手に、一緒に旅行気分を味わった。
ヨハネスブルグでは黒人30人にボコボコにされたり、大麻入りのスパゲッティを食べさせられたり、ハチャメチャな貧乏旅行の冒険記である。
著者の若さを感じる一冊であった。
320日間の世界一周旅行に掛かった費用が、航空券55万円や盗難にあった70万円を含めても210万円というのは驚きであった。

今、ネットを調べてみたのだが、世界一周航空券なるものが存在するということを初めて知った。
いつか、使ってみたい。

『インディでいこう!』

ムギ(勝間和代)『インディでいこう!:ナチュラル&インディペンデントな生き方 実践ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 2006)を読む。
著者の勝間さんよりも、ディスカヴァー社長の干葉弓子さんが編集を担当した本を読んでみたいと思い手に取ってみた。
具体的な目標設定から生活習慣を変えようというビジネス書である。年収600万以上、よい男性パートナー、良い歳の取り方をする女性を「インディ」と定義し、そうした自立した女性になるための具体案が述べられている。あまり興味を引くような内容ではなかった。
それよりも、昨年までディスカバヴァー・トゥエンティワン社の「アバクリ手帳」というよく考えられた手帳を1年間使っていたこともあり、干葉社長が代表取締役を務めるディスカヴァー社の戦略の方が興味を引いた。今後も注目していきたい。

『漢語の知識』

一海知義『漢語の知識』(岩波ジュニア新書 1981)を読む。
先日から漢文を扱っているところであり、雑談の材料として使いやすいものがあればと思い手にとってみた。
「勉強」や「落第」、「浪人」といった高校生になじみの深い熟語から、「収集狼狽」「一衣帯水」「紅一点」などの故事成語に基づく漢語まで、40数語に丁寧な解説が加えられている。
その中で「首相」の項があるのだが、木偏ではなく目の部に該当する「相」の字の解説が興味を引いた。ちょうど今読んでいるところの「漁父之利」の文中にも出てくるので、話のネタに使ってみたい。

『家庭教師革命』

鶴蒔靖夫『家庭教師革命:インタラクティブエデュケーションで次世代を拓く「家庭教師のトライ」の挑戦』(IN通信社 2000)をパラッパラッと目を通す。
鶴巻氏は企業活動を紹介する本を多数執筆し、企業広告の提灯番組であるラジオコーナーを長年担当しており、業界では知られた評論家・コメンテーターである。
ほとんど内容は読んでいないが、冒頭に現代の教育の荒廃や若者の心の成長といった問題を提起し、それらを一気に解決へ導く家庭教師の可能性や家庭教育の復興、「家庭教師のトライ」社の将来性へと話を展開させる。結論ありきの強引な展開に突っ込みどころも多いが、非常に文章が上手いので、すらすらと読んでしまう。
大人から子どもまで誰しもが語れてしまう教育論というものの難しさを感じた。

『空手バカ一代』

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梶原一騎原作、つのだじろう漫画『空手バカ一代』(講談社漫画文庫 1999)第1巻から4巻までを読む。
1970年代に週刊少年マガジンで連載され、スポ根ブームの代名詞とも言える作品である。
敗戦直後の池袋の街頭で佇む大山倍達が、数々の喧嘩や山籠りを経て、牛や馬と対決し、さらには、力道山やグレート東郷、遠藤幸吉などと全米各地をプロレス興行で回るまでの波乱万丈な数年間が描かれている。もちろん漫画ゆえの作り物なのだが、小さい日本人がお大きい米国人をバッタバッタと倒していく胸をすくような爽快感を味わうことができた。

主人公のマス大山がクマと対決するために柔道を学ぶシーンがあるのだが、その時の彼の台詞が印象に残った。
スポーツや武道の世界では「初心に返る」ことの大切さが重んじられるが、フィクションとは言え、日本一を極めてからも虚心坦懐に道を教わろうとする姿勢は素晴らしい。
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