月別アーカイブ: 2013年4月

『ドラえもん学』

横山泰行『ドラえもん学』(PHP新書 2005)を読む。
先日、娘と一緒にドラえもんの映画を観てから、20数年ぶりにドラえもんが気になり始め、手に取ってみた。
著者の横山氏は富山大学教育学部の教授を務めており、裏話やマニア的な視点で論じるのではなく、一応「学問」としてドラえもんを論じている。

第1章「ドラえもんの来た道」では、1969年の「ドラえもん」の誕生から、小学館の学年誌の連載、アニメの放映、そして作者が体調を崩した1986年以降の執筆までがし詳細に論じられている。特に1970年から1986年半ばまで(「小学5・6年生」は1973年半ばから)、十数年にわたり「小学1年生」から「小学6年生」の全学年誌に毎月異なる作品を発表していたことは初めて知る事実であった。藤子・F・不二雄氏は短編長編合わせて1345話もの作品を手がけている。
第2章「『マンガ世紀』のドラエもん」では、日本の経済成長、海外進出と漫画文化の相関性や、海外での「ドラえもん」受容のされ方について論じられている。
第3章「あらすじで読むドラえもん」では、ドラえもんを象徴するようなのび太の結婚やジャイアンのリサイタルショー、スネ夫の性格やしずかちゃんの心根について描かれた作品が、タイトル通りあらすじで紹介されている。

私自身が30年前に読んだマンガの記憶がよみがえってきて、少しうるっときたところもあった。そういえば、私はドラえもんのマンガを全巻揃え、秘密道具大事典の細かいエピソードまで記憶するような少年だったのだ。

『青空チェリー』

第1回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作、豊島ミホ『青空チェリー』(新潮社 2002)を読む。
表題作の他、『なけないこころ』『ハニィ、空が灼けているよ。』の2編が収録されている。受賞作の『青空〜』の方は、ラブホテルを覗きながら浪人生の男女がオナニーをするという強烈な内容なのだが、浪人生の肩身の狭さや狭くなりがちな生活感覚が織り込まれていて面白い作品であった。一方、他の2作はあまり練られていないというのが正直な感想だ。

『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=2hf18-1X2UE[/youtube]

地上波で放映された、ポール・W・S・アンダーソン監督監督『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011 米英仏独)を観た。ヤフー映画のユーザーレビューに「スクエアエニックスのRPGみたい」だとの評があったが、ずばり的を射たコメントである。荒唐無稽な展開やいかにもCG的な映像など、映画というよりも、テレビゲームのイメージ映像を見ているような感じの内容であった。

筑波山詣で

家族を連れて筑波山へ出かけた。途中カーナビが農道やら砂利道を案内したので、30分近く寄り道したが、無事ケーブルカーに乗って女体山の頂上までたどり着いた。ここ1週間ほどこんがらがった仕事に忙殺されていたので、疲れたがよい気晴らしとなった。
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『いい音が聴きたい』

石原俊『いい音が聴きたい:実用以上マニア未満のオーディオ入門』(岩波アクティブ新書 2002)を読む。
副題にある通り、お金を掛けずに、スピーカーの配置や、ケーブルの取り回しなどで「いい音」を追求するためのハウツー本である。最初の方はウォークマンやラジカセ、ミニコンポなどの紹介で親しみやすかったのだが、後半はセパレードオーディオでのシステムの話やSACD、給料3ヶ月分の海外製アンプやらスピーカーの組み合わせの話になりさらっと読み流した。

中学高校当時、私もオーディオ機器オタクのようなところがあり、「サウンド・レコパル」という雑誌を毎号購入していた。当時はバブル期だったので、海外製の1000万円のスピーカーなども紹介されていて、大人になっていつかお金が潤沢に使えるようになったら、堪能してみたいと夢見ていたものだ。

人間は耳から老化が始まると聴いたことがある。年を重ねるほど、新しい音楽を受け付けなくなるそうだ。オーディオ機器には凝れないが、努めて新しい音楽ジャンルへの興味を持ち続けたい。