日別アーカイブ: 2012年8月16日

性犯罪被害者の中絶費用公費負担制度

本日の東京新聞夕刊に、性犯罪被害者の中絶費用の公費負担制度に関する記事が出ていた。2006年度から始まった強姦の被害者に対する人工中絶費用の支給は、国と都道府県が折半して医療費を支給している。31都県では上限を設けずに、初診料や診断書料まで含めた全額が支給され、被害者の経済負担はゼロとなっている。ただし16道府県では支給上限額が設けられている。警察庁では上限の撤廃を求めているが、その上限額も和歌山の17万5000円から山形の9万円までばらつきがある。
性犯罪ましてや妊娠までしてしまう犯罪は被害者の人権を大きく踏みにじるものである。様々なケアが必要であるが、せめて経済的な負担だけはゼロにしてもらいたいものだ。

さらに、記事は性犯罪被害者の現状に詳しい富山市の産婦人科医種部恭子さんの話でまとめられている。種部さんは「現在は原則、性犯罪被害者は警察に被害届を出さなければ経済的な支援を受けられない。(しかし)被害届を出す、出さないにかかわらず、支援する機関を通して公費で医療費を負担するような仕組みが必要だ」と話している。

種部さんは医療機関の立場から、スムーズな被害者支援策を述べている。しかし、被害届を出さないままの支援だと、かえって被害者が泣き寝入りしてしまうことにならないだろうか。こういった事件では加害者未定でも、加害者を追求する意味で被害届をきちんと出す必要がある。その上で被害届を出しやすいような医療機関のサポートや、その後のケアが必要になってくると考える。

今年もトミカ博へ

酷暑の中、家族を連れて幕張で例年開催されている「トミカ博 in TOKYO 〜ぼくらのまちの はたらくクルマ〜」に行ってきた。
高い駐車料金、食事代を払ってへとへとになったが、真ん中の子どもの興奮した表情を見ることができ、親としての満足感を得ることができた。
いよいよ来年あたりは下の次男がトミカデビューを果たしそうだ。




ミニチュアの展示に過ぎないが、男の子にとっては動きと音と振動と匂いのある重厚な世界として目に映っているのであろう。


カーズのコーナーの前で。
著作権使用料はハンパな額ではなかろうが、タカラトミー社の経営判断として、ディズニーキャラクターの商品化は大成功であろう。


巨大なバルーンのTくん。


トミカ組み立て工場の模様。
目の前のトミカを作ってくれるという子どもにとっては夢のようなブースである。トヨタ・マークXやスバル・インプレッサは4、50分待ちであったが、2、30代の若い親には馴染みのないマツダコスモスポーツは15分待ちとなっていた。



トミカの展示に混じって、上掲の本物のクルマ3台も展示されていた。
トヨタの86は、80年代後半のセリカやMR2といったトヨタのスポーツカーの系譜の延長上にあり、安心感があった。
ぴかちゅーカーはミニカーそっくりであった。

本日の東京新聞朝刊から

本日の東京新聞朝刊は読みごたえがあった。
25年続いている恒例の靖国ルポは8月15日の朝から夕方までの靖国神社での動きを伝えている。数年前までは戦争肯定に傾きがちな靖国参拝に反対する活動の様子が記載されていたが今年はなかった。実際に活動がなかったのか、記事にされなかったのかは分からない。一方で、学生や若い社会人の参拝の様子が伝えられ、右派的言論が目立つように思う。
今年6月に尖閣諸島を海上から視察した野田数東京都議は「自民や民主はダメだ。英霊が命をかけて守ってくれた国土だ。靖国と領土問題は切り離せない」と話している。しかし、靖国への参拝と領土問題を簡単に英霊というキーワードで結びつけてしまう短絡的な発想は正直怖いと思う。

また、他の紙面では「日米同盟と原発」と題したシリーズ特集の第1回が掲載され、戦前の幻の原爆製造「ニ号研究」の様子が詳しく報じられている。
当時、原子核物理の第一人者だった理化学研究所の科学者の仁科芳雄氏が開発責任者となり、原爆開発計画が軍主導で進められていた。結局、ウランの濃縮実験やウランの調達に支障が生じ、開発は中止に追い込まれることになった。しかし、その仁科氏の下で学んだ若い門下生らが戦後、「平和利用」と名を変えた戦後の原子力開発の礎となっていった。

原爆というと、日本では被害者のイメージが強いが、加害者として他国に原爆を投下する予定で計画が進んでいたことに驚いた。戦後の原子力開発との流れと合わせて問題を見ていきたい。