平沢勝栄『「国会」の舞台裏』(PHP研究所 2006)を読む。
今から5年ほど前、小泉元総理が引退を表明し、後継者選びがマスコミを賑わせていた頃の話である。
ちょうど民主党では「偽メール」問題が起こり、現総理大臣となった当時の民主党の国対委員長であった野田氏が責任を取って辞任となった頃である。
隔世の感すらあるが、領土問題や外交姿勢、治安体制などに関する平沢勝栄氏の持論が分かりやすい語り口で述べられている。
警察官僚出身だけに、彼の政治的主張は分かりやすい。後藤田正晴氏を崇敬し、警察の質的・量的な拡充を第一とし、あらゆる「ルール」の厳格化によって、外交や政治、社会の規範を高めていくという法治主義に根ざしている。
大変参考となるような見解も多いのだが、平沢氏の一番の墓穴は、学生時代に家庭教師をし、政界でも面倒を見てきた安倍晋三氏を強く推してきたことであろう。今現在、彼の安倍氏の恥ずかしげもない賛辞を読むに、平沢氏自身の見識が疑われても仕方ないであろう。
『「国会」の舞台裏』
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