子どもをお風呂に入れてから、ララガーデンへ映画、庵野秀明総監督『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』(2009 クロックワークス)を観に行った。
前作はテレビ版のCGによる焼き直しであったが、今回はテレビ版とは大きく逸脱し、新しい壮大な物語の始まりを予感させる形で話が終わる。テレビ版もストーリー展開が早かったが、映画はさらにそのテンポが加速し、象徴的なシーンの切り貼りにより、一気テーマの核心であるに「人類保管計画」まで話が進んでいく。
神になりたい、神に近づきたいという旧約聖書のバベルの塔にも見られる人間の本質的な欲。
自分だけが違うという寂しさに耐えられず、他人と一緒になりたいという人間の孤独。
母親の胎内という世界で一番安全な場所に帰りたい、逃げたいという人間の弱さ。
エヴァンゲリヲンという人間の「心の鏡」を通して、人間存在そのものについての疑義が浮かび上がる。
現在の日本のアニメの最高のシリーズを観たという満足感でいっぱいである。