芥川龍之介短編集『地獄変・偸盗』(新潮文庫 1968)を10数年ぶりに読み返す。
ちょうど高校1年生の授業で「羅生門」を扱っている最中なので、参考になれば本棚の奥から取り出してみた。芥川の王朝物第二集ということで、「偸盗」「地獄変」「竜」「往生絵巻」「薮の中」「六の宮の姫君」の6編が収められている。その冒頭の「偸盗」は芥川自身は「安い絵双紙」のような通俗的なもとだと、自分の一番の悪作だと自嘲する作品だったと言われるが、羅生門を巡る生死のドラマが描かれており、『羅生門』を学んだ高校生に勧めたい作品である。
『地獄変・偸盗』
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