寺脇研『なぜ学校に行かせるの?』(日本経済新聞社 1997)を読む。
学校現場から業者テストを廃止したり、総合選択制高校や総合的な学習の時間を推奨する「ゆとり教育」の第一人者であった著者の一番脂が乗っていた頃の著書である。受験教育を真向から否定する訳でもなく、生徒の自主性や個性を諸手を挙げて賛美する訳でもない。教員の本分は授業であり、生徒の向学心を引き出す「生徒が主役」の授業をきっちりと展開すべきであると述べる一方、本来は親や地域の領分である放課後や土日の過ごし方については学校がとやかく関わるべきではないと述べる。
残念なことに寺脇氏は昨年文科省を退職してしまったが、行政の側の発言としては整然としており的を得ていると思った。
『なぜ学校に行かせるの?』
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