日別アーカイブ: 2006年4月30日

『大魔神伝』

久しぶりに雑記帳の更新となった。ここしばらくあまりに忙し過ぎて本1冊すら読む余裕がなかった。また寸暇を惜しんで、こつこつと読書に勤しんでいきたい。

佐々木主浩『大魔神伝』(集英社 2000)を読む。
横浜ベイスターズで活躍した佐々木選手がメジャーに移籍する直前に書かれた本で、小さい頃からの野球に対する思いや、打者との真剣勝負の爽快感など、ゴーストライターの手を借りて切々と述べられている。一方で、日本を去る者だからこそ言えるベイスターズ球団に対する率直な感想や、日本球界全体に対する批判的な意見も展開されている。キング・オブ・スポーツの醍醐味と、ドライなビジネスとしての側面の狭間に立たされた佐々木選手の苦悩はよく伝わってくる。僅か4年のメジャーでの活躍は評価の分かれるところであろうが、メジャーで活躍した後、また日本球界に戻ってくるという先鞭を付けた功績は高く評価してよいだろう。