三田誠広『書く前に読もう超明解文学史』(集英社文庫 2000)を読んだ。
戦後反戦闘争における、早大教授ゆえの(?)ひねくれた歴史観にはがっかりするが、「実存」と「構造」の対立という見方で、戦後派、第三の新人、内向の世代を区分する見方は面白かった。とかく戦後文学の流れは作家がまだ生きているだけあって、その位置づけは難しいが、題名通りの思い切った分類は英断であろう。
文学の視点については、確か野間宏も同じようなことをもっと難しい言い方で表現していたのではなかろうか。確か野間はシェイクスピアの『リア王』を題材に「個別」と「普遍」という観点から、文学のもつ哲学的な、そして政治的な原動力をどこかの本で書いてあったと思う。
『書く前に読もう超明解文学史』
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