今週の火曜日に新しいパワーブックが発売された。デザイン的にはなかなか「道具」として使えそうで良かった。しかしMacosXバンドルではなく、またCD-Rも見送られた。ビデオカードもnVIDIAではなく、普通のATIのカードだった。いずれ購入するのだが、もう少し待ちたいと思う。しかしMacOSXがバンドルされたマックは今年の6月以降だという。現在使っているマックもあと半年待てばimacになったのにと後悔をした。今回は慎重に判断したい。
月別アーカイブ: 2001年1月
「未来は、今の刻々」
1月15日付けの東京新聞夕刊の文化欄に岡部伊都子さんの「未来は、今の刻々」という力のある文章が載っていた。
女性は戦争の被害者と思ってきましたが、私は加害者です。愛する男性を拒否する戦場に送って死なしめた戦争加担の加害者です。「未来」を美しく、平和に、愛の協調をと願い続けていますけれど、「未来」は「今」なんです。「今をどう生きるか」「今、自分は何を理想としてその方向を歩いているのか」その、「今にはぐくまれている力を、喜びの、愛の、平和の方向へと刻々と伸ばしてゆきましょう!
『捨てる!技術』
辰巳渚『捨てる!技術』(宝島社新書)を読了。
つい身に覚えのあることが書かれており笑ってしまうことが多かった。この「捨てる技術」は捨てるための技術を紹介しているのだが、その前提として物をため込んでしまう人間の習性に着目している。例えば明らかに無駄なお蕎麦セットなどがある時、我々は後で必要になるかもしれない、お客さん用に使うかもしれない、結婚したら娘が使うかもしれないと判断する時期を先へ先へと延ばしてしまう。そうして捨てることの「痛み」を味わうことがないために、また無駄使いをしてしまう。そうした捨てることのつらさを経験することでシンプルな生活を目指そうというのがこの本の主題だ。是非一読をお薦めします。
「地方の時代」
東京新聞(2001.01.04/05)に田中康夫長野県知事と福田明夫栃木県知事、北川正恭三重県知事の「地方の時代」と称した紙上座談会を読んだ。
その中で田中康夫が提唱する「公共事業から造林業へのシフト」という分かりやすい政策が気に入った。「しなやかな県政」のスローガンにはがっくりきたが、「樹木を売ってナンボの営林という概念ではなく、損して得する造林への発想の転換に、公共事業の在り方を問いただす一つのヒントがある」とし「『公共事業』という言葉を、そこに従事する人々も胸を張って語れるようにせねばならない」という田中氏の発言は非常に分かりやすい。
今問われている社会民主主義の目指す方向を分かりやすく提示している。その実効がどうであれ、「○○反対!」「××粉砕!」のスローガンをただ繰り返すだけのオウムではない言葉を見つけていこう。
「県知事」
おれは小さな包とこうもり傘とを持つて乗りこんだ
そのとき見たこともないたくさんの人間が歩廊にいた
汽車が動きだすとそれらがいつせいにお辞儀をした
官吏や商人や芸者たち
その視線の落ち着くところをたどると
一人の五十男が家族に囲まれて立つていた。
あれが誰だときくと
あれは転任する県知事だとわかつた
そしておれは県知事というものを理解した
(中野重治)
『お見合いの達人』
真島久美子『お見合いの達人』(講談社)を読んだ。
結婚という制度を「前近代的な家族制度」と社会学的に位置づけるのは簡単である。婚姻によって女性は姓氏を変更させられ、「良妻賢母」の生き方を強いられ、男は仕事、女は家庭」という性的役割分担が強要させられるという論点だ。現在の家族制度が家父長制のもとにあり、総力戦体制下に鼓舞された「兵士を送る銃後の家族」の延長上にあるというものだ。
「婚約者を戦争で失ったTさんも『独身でいるために欠陥人間のようにみられたり、差別されたりしたことが何より辛かった』と語っていますが、わが国には『個人の自由』を尊重する本来の意味での個人主義がまだ未成熟です。そのため「みんなが結婚するからわたしも』と世間の習俗に追従する傾向や、「女性の幸せは家庭に入ること」といわれて無批判にうけいれる状況があります。そのうえ女子をそのように教育しようとする長年の慣行が残っています。一方、男性のほうにも、衣食住や生活の便宜のために結婚するような態度があります」和田典子『女生徒の進路』(岩波ジュニア新書)
真島さんはそのような狭い意味でのウーマンリブ的意見に対して「しかし、自然界の中で、つがいにならないことを選ぶ動物が存在するだろうか。人間だって生き物なのだ。自然のサイクルからはずれた生き方ができるとは、思えない。物や情報が、あまりにも豊かになりすぎてしまった今、私たちはもう一度原点に立ち返って考えてみる必要があるのではないか。」と保守的意見をしゃあしゃあと述べている。しかし原点にまで帰る必要なはいが、10代・20代の若者にも分かりやすい言葉で、結婚制度や改姓、差別の問題を伝えていく必要がある。
上記の「分かりやすい言葉」というのが私の現在の「マイブーム」(古いなあ)である。