リチャード・ドナー監督、ブルース・ウィリス主演『16blocks』(2006 米)を観に行った。
研修帰りにふと立ち寄ったさいたま新都心の映画館で、タイムスケジュールですぐに上映が始まるものを選んだため、全くの予備知識無しに観た。ブルース・ウィリスが出るということすら知らなかったのだが、話も単純で分かりやすく低予算の映画なりに楽しむ事ができた。
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『ゲド戦記』
大学の帰りにさいたま新都心で『ゲド戦記』(東宝 2006)を観に行った。
冒頭にドラゴンが雲間を切り裂いて登場し、続いて、世界支配をたくらむ魔法使いのボスや、剣を片手に旅を続ける少年が現れるなど、少し昔のファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのRPGゲームの映画版を観ている気分であった。途中効果音の効いた戦闘シーンや感動的な出会い、運命的な別れの場面も挿入され、話の展開もRPGゲームそのものである。また「風の谷のナウシカ」を彷彿させるところも多く、古き良き宮崎アニメの趣が漂う。最後は魔法使いのボスを倒してハッピーエンドを迎えるのだが、まさに予想通りの展開で、かえって安心して観ることができたように思う。
『ホテル・ルワンダ』
ドン・チードル主演『ホテル・ルワンダ』(2004 南ア・英・伊)を有楽町へ観に行った。
映画館はビックカメラの入っているビルの中にあり、開演までデジカメやパソコンをひやかしながら時間を潰した。久しぶりの遠出で気分も和らいだ。
アフリカの小国ルワンダにおける大量虐殺を通して、欧米の白人による黒人蔑視や自国中心主義、また際限ない近親憎悪が繰り返される部族抗争の現実を描く。しかし、家族愛というヒューマンドラマをメインに押し出しており、紛争の原因である植民地支配の歴史や紛争を煽る武器産業の背景などはほとんど語られない。作品の作り方そのものが『シンドラーのリスト』に酷似しており、作品としてはあまり楽しめなかった。
『フライトプラン』
新都心へ、ジョディ・フォスター主演『フライトプラン』(2005 米)を観に行った。
密室の飛行機内で忽然と6歳の娘が失踪したにも関わらず、目撃者は誰一人いない。それだけでなく、彼女の痕跡は全く消され、搭乗券も消え、搭乗記録すらも存在せず、一週間前に亡くなっていたというのだ……。
前半はジョディ・フォスターの迫真迫る演技でテンポ良く進んでいくのだが、後半犯人の正体が分かってからは急速に話が薄っぺらくなってしまい、ラストでのどんでん返しもなくあっさりと終わってしまう。宣伝が興味をそそるだけに、「コケる」という表現がぴったりの駄作であった。
2チャンネルの掲示板にあった「テレビ初公開『木曜洋画劇場』にピッタリの映画でした」というコメントがこの映画の評価を絶妙に表現している。
『男たちの大和』
中村獅童・反町隆史主演、佐藤純彌監督『男たちの大和』(2005 東映)を観に行った。
60年前の太平洋戦争末期に、一億総玉砕の尖兵として無残な最期を遂げた戦艦大和の乗組員の生き様、死に様を鮮やかにスクリーンに蘇らせている。激烈な戦闘シーンが続き、戦争の悲惨さが迫力をもって十分に伝わってくる。中村獅童の演技にも鬼気迫るものがあった。
一方で、当時の戦争を日本人の視点でしか捉えておらず、ともすれば米軍に勇敢に立ち向かった英霊を賛美するような解釈を許している。作品中では国家犯罪の犠牲者となった大和乗組員の無念な青春がテーマとなっているのだが、エンディングで長渕剛が突然「それでもこの国を たまらなく愛しているから もう1度生まれ変わったら 私の名を呼んで下さい」と歌い出し、作品の世界観を思いっきりぶち壊してしまう。
ネットで調べたところ、エンディングの最後には「多くの方達が命を懸けて守った日本に、今私達は立っている」とのクレジットが入る予定だったが、諸々の事情によりカットされてしまったそうだ。10代、20代の若い人が改めて戦争の悲惨さを知るという意義を考えると、戦争国家を肯定するような意味付けは不要である。





