映画」カテゴリーアーカイブ

『夜と霧』

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明日から遠藤周作の『カプリンスキー氏』というアウシュビッツ強制収容所をテーマにした短編集を授業で扱おうと、家で少し予習をした。どうしても活字だけだとあのアウシュビッツの惨状が説明できないので、映像を参考資料にしようとアラン・レネ監督『夜と霧』(1956 フランス)というDVDを借りてきた。V.E.フランクルの同タイトルの本が有名だが、こちらも当時の貴重な映像が残されており、観るもの全てに、戦争がこれほど恐ろしい冷酷な人間を創り上げるのかと惨憺たる思いにさせる。最後のナレーションが印象に残った。さて私たちは何をすればよいのか。

戦争は終わっていない
今、点呼場に集まるのは雑草だけ
“都市”は見捨てられた。
火葬場は廃虚に、ナチは過去となる
だが、九〇〇万の霊がさまよう
我々の中の誰が、戦争を警戒し、知らせるのか
次の戦争を防げるのか
今もカポが将校が、密告者が隣にいる
信じる人、あるいは信じない人
廃虚の下に死んだ怪物を見つめる我々は
遠ざかる映像の前で、希望が回復した振りをする
ある国の、ある時期における特別な話と言い聞かせ、
消えやらぬ悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる

『16blocks』

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リチャード・ドナー監督、ブルース・ウィリス主演『16blocks』(2006 米)を観に行った。
研修帰りにふと立ち寄ったさいたま新都心の映画館で、タイムスケジュールですぐに上映が始まるものを選んだため、全くの予備知識無しに観た。ブルース・ウィリスが出るということすら知らなかったのだが、話も単純で分かりやすく低予算の映画なりに楽しむ事ができた。

『ゲド戦記』

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大学の帰りにさいたま新都心で『ゲド戦記』(東宝 2006)を観に行った。
冒頭にドラゴンが雲間を切り裂いて登場し、続いて、世界支配をたくらむ魔法使いのボスや、剣を片手に旅を続ける少年が現れるなど、少し昔のファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのRPGゲームの映画版を観ている気分であった。途中効果音の効いた戦闘シーンや感動的な出会い、運命的な別れの場面も挿入され、話の展開もRPGゲームそのものである。また「風の谷のナウシカ」を彷彿させるところも多く、古き良き宮崎アニメの趣が漂う。最後は魔法使いのボスを倒してハッピーエンドを迎えるのだが、まさに予想通りの展開で、かえって安心して観ることができたように思う。

□ 映画『ゲド戦記』オフィシャルサイト □

『ホテル・ルワンダ』

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ドン・チードル主演『ホテル・ルワンダ』(2004 南ア・英・伊)を有楽町へ観に行った。
映画館はビックカメラの入っているビルの中にあり、開演までデジカメやパソコンをひやかしながら時間を潰した。久しぶりの遠出で気分も和らいだ。
アフリカの小国ルワンダにおける大量虐殺を通して、欧米の白人による黒人蔑視や自国中心主義、また際限ない近親憎悪が繰り返される部族抗争の現実を描く。しかし、家族愛というヒューマンドラマをメインに押し出しており、紛争の原因である植民地支配の歴史や紛争を煽る武器産業の背景などはほとんど語られない。作品の作り方そのものが『シンドラーのリスト』に酷似しており、作品としてはあまり楽しめなかった。

『フライトプラン』

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新都心へ、ジョディ・フォスター主演『フライトプラン』(2005 米)を観に行った。
密室の飛行機内で忽然と6歳の娘が失踪したにも関わらず、目撃者は誰一人いない。それだけでなく、彼女の痕跡は全く消され、搭乗券も消え、搭乗記録すらも存在せず、一週間前に亡くなっていたというのだ……。
前半はジョディ・フォスターの迫真迫る演技でテンポ良く進んでいくのだが、後半犯人の正体が分かってからは急速に話が薄っぺらくなってしまい、ラストでのどんでん返しもなくあっさりと終わってしまう。宣伝が興味をそそるだけに、「コケる」という表現がぴったりの駄作であった。
2チャンネルの掲示板にあった「テレビ初公開『木曜洋画劇場』にピッタリの映画でした」というコメントがこの映画の評価を絶妙に表現している。