読書」カテゴリーアーカイブ

『地獄の道化師』

江戸川乱歩『地獄の道化師』(ポプラ社 1971)を読む。
表題作の他、「心理試験」という短編も収録されている。ここ最近、推理小説を読んでいなかったせいもあるのか、スイスイ読める作品というのが小気味よい。下手な変装や大仕掛けのトリックなどがないのも、読みやすい原因か。

『時計塔の秘密』

江戸川乱歩『時計塔の秘密』(ポプラ社 1970)を読む。
久しぶりに通して読んだ。怪人二十面相シリーズではないので、ドキドキ感はある。

『中学改造』

藤原和博編、櫻井よしこ、刈谷剛彦、鈴木寛『中学改造』(小学館 2002)を読む。
情報や総合的な学習の時間が導入され、ICTや横断的な学習がもてはやされていた時期に発行された本である。リクルートから杉並区立和田中学校の校長へ転身する前の、藤原氏の教育観が表れている。その中で印象に残った点を書き置いておきたい。

おそらく、これからはどの学校でもゲストティーチャーを招いて授業することが増えると思うんです。しかし、ただ単にゲストティーチャーを読んで話をさせるという単純な一方通行では、子どもたちの心に何も残らない。(中略)

私自身にはコーディネーターとしての力はありますが、もし教師を抜きにして私がずかずか教室に入っていって突然「授業やります」と言い、次々にゲストティーチャーを招いても成功しなかったと思う。生徒たちにとっては、教師という存在に対する安心感がまず前提としてあり、教師には50分で一つの授業を運営する技術がある。だから、この”掛け合い”がものすごく重要なんです。ゲストティーチャーを呼べたことが大事なのではなくて、教師とゲストティーチャーの間で、”掛け合い”が起こることが大事だということ。(中略)

教師の力量が、そこで試されると言っても過言ではないですね。ゲストティーチャーを連れてくるだけなら、そういう人物やコネをつければいいだけ。あるいは有名人をよく知っている人間を味方につければいい。しかし、そのゲストの持ち味を教育効果が大きくなるように授業に落としこむのが、難しい。

 

『自転車生活の愉しみ』

疋田智『自転車生活の愉しみ』(朝日文庫 2007)を読む。
自転車の入門書なのだが、パンク修理の手順やドイツの都市での自転車生活なども紹介されている。また、自動車の普及やロードサイドの大型店によって、都市中心部が空洞化していく実態を取り上げ、自転車の普及が、住民の生活を改善させるなどの提言もされている。

『日本民家の旅』

杉本尚次『日本民家の旅』(NHKブックス 1983)をパラパラと読む。
著者は大阪大学文学部の地理学科を卒業され、執筆当時は国立民族学博物館の教授を務めている。白川郷の合掌造りや砺波平野の散居村、東北地方の曲家など、有名なものも数多く紹介されている。刊行されてから40年経った本なので、現在進行ではなく、古い日本の家屋を眺めているような感覚になった。