読書」カテゴリーアーカイブ

『続・垂里冴子のお見合いと推理』

山口雅也『続・垂里冴子のお見合いと推理』(講談社,2000)を読む。
シリーズものの短編ミステリーである。前作から4年ぶりの刊行なので、最初に登場人物の紹介もされているので、すんなりと読むことができた。

『ピアノ、その左手の響き』

智内威雄『ピアノ、その左手の響き:歴史をつなぐピアニストの挑戦』(太郎次郎社エディタス,2016)をパラパラと読む。
音楽家の母のもとで、音楽教室や音楽高校、音大と、恵まれた環境で音楽にどっぷりと浸かってきた著者が、留学先で右手が突然思い通りに動かせなくなる局所性ジストニアを発症し、左手だけで演奏するピアニストなるまでの経歴が描かれる。

左手だけのピアノ演奏というと、両手弾きからのアレンジのように思われるが、ギターの曲を左手に編集するケースが多いという。ギターの音を縦にあまり重ねない響きのつくり方や、一度にはじける音の数が最大でも5、6というのが、左手のピアノの共通しているとのこと。著者は次のように述べる。

左手のピアノ、片手演奏が、長い歴史をもつ鍵盤音楽の固定観念をとりはらい、ピアノという楽器とともに音楽の可能性を広げています。

『植物園へ行きたくなる本』

鳥居恒夫・高林成年『植物園へ行きたくなる本』(リバティ書房,1993)をパラっと読む。
著者は両者とも千葉大園芸学部園芸学科の卒業で、実際に植物園に勤務され、何冊も本を出している専門家である。植物の分類など関心のない分野だったのでほぼ読み飛ばした。

一点、常緑樹と落葉樹の項は興味深かった。熱帯は常緑樹、温帯は落葉樹と括ってしまいがちだが、熱帯にもチークのように落葉樹も存在する。熱帯では他にも乾季に水不足を防ぐために落葉する樹木がたくさんある。また、常緑樹の葉も古くなると落葉するが、一度に全部落ちてしまわないので、気が付かないことが多い。

日本でも常緑樹があるが、初夏の頃、新芽が出ると同時に古い葉がたくさん落ちる。常緑樹だからといって、葉が落ちないわけではない。日本でも広く生育しているクスノキは、古い葉がほとんど落ちて新葉に変わるが、若芽が開いた直後なので落葉樹とはいわない。ツバキも常緑広葉樹に分類される。一枚の葉が3年くらいついて、新しい葉が広がる際に、古い葉の養分はすべて新しい組織のために使われるので、黄色や褐色になって落ちてゆく。

『森の王国』

竹田津実『森の王国:自然がぼくにくれたもの』(偕成社,1996)をパラっと読む。
著者自身の経歴は面白そうなのだが、子ども向けの絵本の体裁を取る本書は全く頭に入ってこなかった。カフェイン中断症状の頭痛が影響しているのかもしれないが。

『Little DJ』

鬼塚忠『Little DJ』(ポプラ社,2007)を読んだ。
最初はつまらない本と決めつけ読み流すつもりだったが、映画のような展開で最後はじんわりと来てしまった。帯を見ると、刊行と同年に映画化されていたようで、なるほどと思った。
好きな女の子と病院を抜け出すシーンなど、いかにもドラマ的な展開であるが、ほのぼのとした世界だったので、すんなりと読み進めることができた。