読書」カテゴリーアーカイブ

『職人スタイル』

オークムック『職人スタイル』(オークラ出版 2008)を読む。
A4サイズのムック本で、イケメンの若手の職人の仕事や趣味に興じる写真を中心に、仕事観や人生観のインタビューが掲載されている。硯職人や美容師、内装職人に始まり、時計修理職人や和装師、江戸手提提灯職人、べっ甲職人など、少し変わった職人も数多く登場する。しかし、共通するのは仕事へのこだわりであって、少し時流からずれていようが、自分の人生をかけて挑戦する姿はかっこいい。

『たっちんの気象転結』

龍山康朗『たっちんの気象転結:これであなたもお天気雑学博士!』(梓書院 2005)を読む。
著者は気象予報士で、RKB毎日放送のアナウンサーとして活躍されている。本書では、2002年4月から2年間にかけて、毎週毎日新聞西武本社版に連載されたコラムが掲載されている。

「女心と秋の空」を偏西風から説明したり、「天高く馬肥ゆる秋」を空気の乾燥から解説するなど、気象に詳しくない新聞読者にも分かりやすく、気象の面白さを伝えている。

エルニーニョとはスペイン語で「神の子」という意味で、クリスマスの頃、南米ペルー沖の海水温が上がって魚が取れなくなるので、漁民にとっては神の恵みで休めるとしてこの名がつきました。

また、黄砂の増加は地球温暖化による黄土高原の砂漠の拡大が原因であるという話や、紫外線が強い時期は植物が紫色に染まるなど、興味深い話も多かった。

 

『知りたい!気象予報士』

経林書房資格試験研究会編、田崎久夫著『知りたい!気象予報士』(経林書房 2004)を読む。気になったところを、少し抜書きしておきたい。

  • 0時〜3時 午前3時ごろまで
  • 3時〜6時 明け方
  • 6時〜9時 朝のうち
  • 9時〜12時 昼前
  • 12時〜15時 昼過ぎ
  • 15時〜18時 夕方
  • 18時〜21時 宵のうち
  • 21時〜24時 夜遅く

見えるものが1km未満は霧、1km以上見えるときは靄

直径5mm以上が雹(ひょう)、5mm未満が霰(あられ)

日最高気温が25℃以上で夏日、30℃以上で真夏日。日最低気温が25℃以上が熱帯夜。

平年とは過去30年間の平均。

「馬耳東風」の東風は、春先に吹く移動制高気圧による南〜東風のこと。つまり、「せっかくの春を告げるありがたい東風に気が付かない」という意味。菅原道真の「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」の東風も同様。

『心の中にもっている問題』

長田弘詩集『心の中にもっている問題:詩人の父から子どもたちへの45編の詩』(晶文社 1990)をパラパラと読む。
子ども向けの成長や教育をテーマとした詩やエッセーが収録されている。

「野球は動詞だ」と、「掴む」「滑る」「砂煙があがる」「倒す」「倒れる」など、全て動作動詞のみで表現した詩は、表現方法だけでなくレイアウトを含めて面白かった。しかし、それ以外は単なる寄せ集めに過ぎないと思った。

『子どものいた街』

井上孝治写真集『子どものいた街』(河出書房新社 2001)を眺める。
井上氏は1919年に生まれ、3歳の時の事故で聴力と言葉を失い、言葉のない写真の世界に身を置いた人物である。主に1950年代の風景を中心に、団塊やその少し上の世代が街中に溢れていた頃の写真が収められている。
アスファルトで覆われていない街の様子が新鮮だった。