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「変わる世界と、変わらなかったエジプト」

本日の東京新聞夕刊に、高橋和夫放送大教授の「変わる世界と、変わらなかったエジプト」と題したコラムが掲載されていた。
その最後で、高橋氏は次のように大胆に予言する

アラブ諸国には(エジプトと)同じような構造の体制(非民主的な選挙や30年続く戒厳令など)が多い。エジプトの現象の波及は 不可避であろう。(中略)となると長期政権で、しかも政府の力が比較的弱く、その上に国民を懐柔するに十分な石油収入を持たない国が、最も可燃性となる。 ずばり言ってイエメンが危ないだろう。

翻って北東アジアで考えれば、北朝鮮という国の名前がすぐに頭をよぎる。しかし、北朝鮮の不安定な独裁体制を温存し、国際政治の取引材料として悪用 しようとしているのが、世界第1位の経済軍事大国である米国であり、本日の経済発表で世界第2位の経済大国となった中国である。
現在エジプトで起きている「革命」を遠い国の事件として聞き流すのではなく、隣国に起きるかもしれない、起きなくてはならない、いや「正しい形」で起こさなくてはならない政治的展開として、他山の石とする必要があると思う。

色川大吉氏

本日の東京新聞夕刊に、歴史学者色川大吉氏へのインタビュー記事が掲載されていた。インタビュアーは、東京新聞社の大日方公男氏である。この5年間で4冊の「自分史」を刊行した色川氏は、60年安保について次のように述べる。

日本社会もよたよた歩きの混沌の時代でしたし、僕自身、生活も精神的に苦難の頃だったから、最初の二冊は突き放した三人称で書いた。反安保運動は国民的な盛り上がりを見せたけれど、政党を背後にした総評や大企業の労働組合は日当をもらってデモしていた一方、底辺の労働者たちはみな自腹で参加し、苦しい戦後を生きた恨みを爆発させた。民衆の根元的なエネルギーが国を動かすその光景を目の当たりにしたことが、僕に民衆思想史に取り組む決意と確信を促した。

そして最後に、色川氏は次のように述べる。そのままどこかのパンフレット使えそうな格好いい文章である。

今のグローバルな情報ネット社会では、9・11テロでもリーマン・ショックでも、かつては無関係と思われた事態が否応なく僕らの生活にかぶってくる。次に準備している平成の自分史は、人が社会にどうコミットするかよりも、世界の構造的なありように自分の生存がどの翻弄されてゆくかの歴史記述が中心になる。かつての若者が主役の時代から、今は中高年が前面に登場してきた。中高年は若者以上に社会とつながりたい欲望があり、そのつながりを僕らはどんな歴史に学んでゆけばいいのか、どんな共生の受け皿をつくれば自衛できるのかを考えたい。まだ諦めない、抵抗は続けます。

「子ども貧困」

本日の「子ども貧困」は、母子家庭の中学3年生の
以下、新聞記事の引用です。

子どもの問題行動には貧困が影を落とすが、高度経済成長を経た現代日本で、両者をつなぐ視点は薄まるばかりだ。法政大大学院の 岩田美香教授(教育福祉論)は、1977年の「犯罪白書」が「少年非行の普遍化」を指摘して以来、貧困を情緒発達など個人の資質に求めがちだと指摘する。 貧困家庭の育児について「金銭的困窮だけでなく、親の時間的な余裕のなさが家族の孤立を招く」点に着目。病気や飲酒問題を抱える親もおり、子の世話が不十 分になったり、親子関係がこじれたり
しやすいことから、学校がソーシャルワーカーの活用などで「家族の背景にまで目配りする」ことが必要だと訴える。

「子ども貧困」

今日の東京新聞の「子ども貧困」は、新聞奨学生となって専門学校に通うも、家庭の経済状況で中退せざるを得ない若者の背景に迫っている。特に専門学校では 奨学制度が充実していないため、授業を払えないとすぐに中退に追い込まれてしまう。学費の高騰により、バイト代で学費を稼ぐというのが夢物語となってし まった以上、働きながら夢を追う若者の何らかのサポートが必要となってくるであろう。
以下、新聞記事の引用です。
国が「学校教育の最も重要な調査」と位置付ける学校基本調査は、その対象を在学・卒業者に限っている。中退者の実数すらつかめていないのが現状だ。文部科学省調査企画課は「大学や専門学校の担当部署から依頼がない」と素っ気ない。
東京都専修学校各種学校協会の2008年度の調査によると、都内の専門学校中退者は約6500人に上った。「資格を目指す目的意識の高い学生が多いだけに、経済的な理由が与えた影響は大きいのでは」と危機感を募らせる。

「子ども貧困」

本日の東京新聞朝刊の「子ども貧困」は、一見普通の暮らしをしていながら、借金まみれになっているケースを紹介している。特に田舎では横並び意識から教育 費などを無理し、子育てを終えるころに限界が来るという。公教育を充実させ、「学校で勉強していれば大丈夫」という信頼、引いてはそういう社会を作ってい くことが求められる。
以下、新聞記事の引用です。
多重債務問題に取り組む全国の約90団体が加盟する「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」によると、2009年に寄せられた相談件数は計約 8200件。相談者は40、50代で半数近くを占め、借金の主な原因は「家計費の補助」が40%超。「年齢的に給料は最も多くなる時期だが、子どもの養育 費も多く掛かるころ」と同会の本多良男事務局長は指摘する。