投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『自閉症の子どもたち』

酒木保『自閉症の子どもたち:心は本当の閉ざされているのか』(PHP新書 2001)を読む。
現在実習に行っている知的障害者更生施設の利用者の方への関わりのヒントになればと手に取ってみた。著者は自閉症を身体意識や空間認識、また、時間の感覚の「認知」に関する異常と定義づける。自閉症児は、自分と他人との違いがうまく区分できず、自分以外の人や物が自分だと思い込んでしまうことがある。その結果、「○○ちゃん(自分)に食べさせて」と言ったり、「ここ」「そこ」「あそこ」という指示代名詞がうまく使えないなど、他者との関係性における齟齬が生じる。

そこで、自閉症児は認知できない不安な外界から自分を守るために、自分をコップと思い込むなどといった「自我防衛機制」を働かせる。そのような「自我防衛」を「箱庭療法」や「遊戯療法」で徐々に変えていくことで、他者と関わる力を少しでもつけていく著者自身の手による療法が分かりやすく紹介されている。他の物に癒着した症児の主体を引き出す治療など、まるでエヴァンゲリオン初号機に心を囚われた碇シンジ君の話を聞くようなSFチックなものとなっている。

最後に著者は次の言葉でまとめている。現在の私自身の実習のテーマと重なっているため印象に残る言葉である。

自閉症について知りたいと思ったらオススメの一冊である。

自閉症児にとって本当に必要なのは、「いま」「ここ」に自分が存在することについて抱いている不安や恐怖を克服すること、安心して生き、生きようとする力を彼ら自身が手にするための援助です。そのために、人間と人間とが関わり合って生きていくということは快い体験なのだということを彼らが感じ取ることができる環境をつくっていかなくてはなりません。(中略)大切なことは、日本でとかく見られがちな、他職種間に見られる線引きや、縄張り意識を捨てさり、自閉症児の視点にたって物事を考えていくことです。自閉症児の治療においては「適切さ」と「一貫性」と「継続性」という三つの要素がすべて揃って、初めて効果があがります。そのためには、親だけでなく、治療、教育、福祉の統合的体制を整えることが重要であると強調したいと思います。

『経験を盗め』

糸井重里『経験を盗め』(中公公論新社 2002)を読む。
祭りや風邪、異文化に始まり、骨董やゲイ、はたまたおやじギャグやおしゃれなど多岐に亙るテーマで、各界で活躍する人たちに糸井氏が切り込んでいく対談集である。これまで数々の対談集を読んできたが、これほど幅広いテーマを網羅したものは読んだことがない。亀も20年も飼うと人間に甘えてくるという珍話やダジャレは男性の専売特許であるなど興味深い話も多かった。

『TAKESHIS’』

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新都心へ北野武監督・主演『TAKESHIS’』(2005 松竹)を観に行った。
二枚目の映画俳優として大活躍するたけしと、映画の脇役オーディションに落ち続け、アルバイト生活に明け暮れるアナザーたけしの二人の過去と夢が交錯する不可思議な映画である。お笑いのリーダーとしてマスコミによって作り上げられたピエロ役の「ビートたけし」に違和感を持つ内面の北野武が、過去の思い出であるタクシー運転手時代や映画「HANA-BI」のストーリーに迷い込む荒唐無稽な展開となっている。ふと10年以上前の浪人生時代に読んだ、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」という夢の世界を描いた破天荒な小説を思い出した。「世界のタケシ」が作った映画だということで、色々と深読みをしてしまうが、評価は大きく分かれるであろう。

社事大レポート

社事大の11月30日消印有効のレポートを昨日の11時40分に春日部の本局へ出しに行った。社会福祉の計画化、労災保険の給付認定について、介護保険、小集団活動の意義、地域福祉法、社会福祉援助技術における傾聴、エコマップ作成の7点についてレポートをまとめた。

現場実習

一昨日より社事大の社会福祉士養成課程の通信教育の現場実習が始まった。千葉にある知的障害者更生施設で、利用者の方々と直接触れ合いながら勉強している。電車を乗り継いで片道2時間かかってしまい、それだけでもへばってしまうが、多くのものを経験主義的に吸収したい。


現場実習計画書 実習施設名 我孫子市立あらき園

日本社会事業大学通信教育科
社会福祉士養成課程

現場実習計画書 現場実習のテーマと課題
 私自身、近い将来に、養護学校高等部で勤務するにあたって、生徒の一生涯にわたる支援を見通した進路指導の充実を図っていきたいという夢を持っています。 教育機関と福祉機関の縦割り行政の中で、「個別の教育支援計画」をいかにして効率の良い充実したものにしていけるのか、その可能性を探る実習にしていきたいと考えています。

  1. 生活支援施設としての視点を持った施設のあり方、職員の動向の理解
  2. 利用者個々のニーズに応じた支援サービスの実態把握
  3. 個別支援計画の作成とその活用の把握
  4. 利用者の自立支援の実情とそのサポート体制の理解

課題・テーマへの具体的取り組み方法

  1. →陶芸室や木工室など施設を見学し、日課における職員の動きや配置について学びたい。施設等で働く職員の勤務状況やスーパーバイザー制度についても機会があれば学んでみたい。また、利用者サイドに立って、障害者手帳や療育手帳、支援費制度など金銭面、税制面での負担や軽減の制度について把握したい。
  2. →一日の流れを通し、個々の利用者の生活支援の様子を学びたい。
    特に陶芸や木工、農芸などの諸活動がどのような形で社会生活への適応と繋がっていくのか、という点を意識して利用者と共に体験してみたい。また、個別運動において、個々の利用者本人の身体諸機能の実態とその支援の方針について指導を仰ぎたい。利用者と一緒にストレッチや歩行、作業をする中で、持ち味の体力を活かして積極的にコミュニケーションを図っていきたい。
  3. →養護学校で作成された「個別の移行支援計画」の活用のされ方について理解を深めたい。
    養護学校と施設の連携に向けて取り組みが始まった「個別支援計画」の書類が、どのような形で保管され、どのように活用されているのか、現場の動きを把握したい。また、実際に施設において利用者を受け入れるにあたっての事務手続きや相談事項の概略を学びたい。
  4. →利用者の社会的自立、地域での自立の様子について個々の話を伺いたい。
    利用者の退園後の自立や家庭での支援の様子、市における地域での福祉サービスの実態を理解したい。また、利用者の高齢化によって生じる様々な問題についての相談体制について、実態を把握したい。
    地域との交流や、清掃活動、ボランティア活動、啓発活動を体験してみたい。