『戦雲(いくさふむ)』

組合の行事で、三上智恵監督『戦雲(いくさふむ)』(2024,DCP)を観た。
与那国島や宮古島、石垣島、沖縄本島で急ピッチで進む基地拡大を扱った、三上智恵監督『戦雲(いくさふむ)』の上映会が行われた。ちょうど10年前、今は亡き坂本龍一氏や学生団体が国会前で反対の声を上げた「日米防衛協力のための指針」の改定後、日本・極東だけでなく、アジア・太平洋地域全域で展開される日米軍事同盟の実態がまざまざと描かれている。

防衛省は当初、島を守るために地対空ミサイルや沿岸監視隊を配備すると説明していた。しかし、いざ工事が始まると、手のひらを返すように住宅地のすぐ脇で軍事演習が繰り返され、台湾有事を想定した敵基地攻撃能力のあるミサイル基地やイージス艦が入港できる軍港が矢継ぎ早に建設されている。挙げ句の果てには、酪農や伝統芸能に生きる喜びを見出す島民を失意のどん底に突き落とす九州他県への強制移住計画まで持ち上がっている。

「国民のため」「市民のため」「教員のため」に導入されたものが、実は毒まんじゅうであったという事例は心に留めておきたい。

10年前まで自衛隊の「空白地域」とされていた先島諸島で、急ピッチに進む軍事基地建設の模様を描いたドキュメンタリー映画である。2015年に、アジア・太平洋地域を越えたグローバルな地域の平和及び安全のため、自衛隊と米軍が実行可能な限り最大限協力する旨の日米ガイドライン(新たな日米防衛協力のための指針)が改定された。映画ではその翌年から日米一体となって台湾攻撃の準備が始められた実態が詳らかに描かれている。

与那国島では、2016年に島の活性化のために自衛隊の沿岸監視隊の駐屯地が開設された。あくまで中国の海洋進出や頻発する北朝鮮のミサイル発射実験から島を守るという名目であったが、実態は自衛隊と米軍の合同軍事演習が繰り返され、台湾有事を想定したミサイル基地まで作られることになった。

「自衛隊の基地ができたら米軍もやってくる」との横断幕を掲げ、

宮古島でも島のど真ん中に弾薬庫基地が作られ

CORRATEC SHAPE CHUBBY

先日、ヤフオクでコラテックのSHAPE CHUBBY DISC 650Bというクロスバイクを購入した。
MTBのような肉厚なフレームに650B×47cという太いタイヤを組み合わせたグラベルクロスというカテゴリーの自転車である。乗った瞬間から身体にピッタリとくる感触があり、早速チェーンを交換し、ハブの整備を行なった。この1、2年、日常使いの自転車を何台か購入したものの、

『くたばれ!就職氷河期』

常見陽平『くたばれ!就職氷河期:就活格差を乗り越えろ』(角川新書,2010)を読む。
タイトルに「就職氷河期」とあるが、90年代半ばから00年代前半までの求人倍率が1倍を切った団塊ジュニア世代の話ではなく、採用する企業側と就職する学生側のミスマッチによる就職難となったリーマンショック後の就職について論評を加えている。

中には企業説明会や選考で企業を訪問した際に、トイレの個室にこもって社員の本音に耳を傾けるべきだとの珍アドバイスもあるが、正論ではなく企業が求める人材の本音部分が書かれていて興味深かった。

『バリケードを吹き抜けた風』

橋本克彦『バリケードを吹き抜けた風:日大全共闘芸闘委の軌跡』(朝日新聞社,1986)をパラパラと読む。
著者は日本大学全学共闘会議芸術学部闘争委員会のメンバーであり、1968年から69年にかけて盛り上がった日大全共闘運動の内部レポートである。ストライキや団体交渉、デモ、火炎瓶など過激な内容が続くが、細かい流れが多すぎて頭に入ってこなかった。

『スマホ廃人』

石川結貴『スマホ廃人』(文春新書,2017)をパラパラと読む。
今多くの人が使用しているLINEは東日本大震災をきっかけに開発を急ぎ、3ヶ月後の6月にサービスを開始している。
また、幼児にスマホを使わせるなんてという非難を耳にするが、著者はその背景に社会の不寛容さが増していると指摘する。子どもにスマホを利用させる母親たちが「周囲の迷惑にならないように」という理由を挙げていた。子どもが騒いで迷惑をかけたくないから、スマホを使っておとなしくささせている。実際「騒音」を理由に保育園建設への反対運動が起きたり、公園で遊ぶ子どもの声がうるさいと訴訟になったりすることを考えるとさもありなんという感じだ。