水道橋博士(浅草キッド)『博士の異常な健康』(アスペクト 2006)を読む。
著者の水道橋博士は,年齢の割に見た目も若々しく,健康的な生活を送っていることで知られる。プロテイン入りのシャンプーによる毛生えや近視矯正手術,胎盤エキス注射,ファスティング(断食),バイオラバー,加圧式トレーニングなど,最新の健康術が紹介される。特に断食は精神的な意味ではなく,栄養や消化の側面から科学的に研究され,不足する栄養を摂りつつ健康的に脂肪を落とすダイエットメニューとして愛好者が増えているという。是非取り組んでみたい。
なお,章の合間のコラムで昔のたけし軍団での撮影の様子が語られる。現在はバラエティ番組の撮影中に事故が起きたら,すぐにスタッフの責任問題に発展するが,昔といっても,1980年代の芸能界は「怪我と弁当は手前持ち」の発想で,病院送りになっても責任も保障もない世界であることが分かった。
15年前,「人間サイコロ」という企画で,一辺2メートルの巨大サイコロの中に入れられ,階段や坂を落とされるというロケを毎週やらされていた。
その日も,豪雪の中の雪山の傾斜角30度を越える急斜面の大スロープからサイコロを落とされ,途中,命の危険を感じ,サイコロの蓋を蹴破って飛び出し,危うく一命をとりとめたのだが,全身打撲により,そのまま翌日のスタジオで一歩も動けなくなり病院へ直行。
2度目は,元・新日本プロレスのレスラーのキラー・カーンとの絡み。身長195センチ,体重140キロの巨体から繰り出すアルバトロス殺法,ダブルニードロップからモンゴリアンチョップの餌食となり,そのまま身動きができなくなり再び病院送りに。
その後,腰は悪化の一途を辿り,13年前,正式に椎間板ヘルニアと診断され,ドクターストップ。