宮崎駿『風の谷のナウシカ コミック』(徳間書店 1994)全7巻を読む。
学生時代だったかに一度読んだことがあるのだが,内容はすっかり忘れてしまっていた。
ナウシカという10代の女性を通して,動植物が平和に暮らす清浄な新世界のありようを模索しつつも,殺戮と破壊を繰り返し,新世界では生きられないように人工的に汚染された人間の苦悩を描き出す。
途中で何年も休載を挟んだせいか,途中で話が上手く繋がっていないところがあり,読み解くのに苦労したが,自然を破壊する人間に対する厳しい眼差しと,一方で,そうした貪欲に生きる人間に世界を築いていく希望を託したいという宮崎駿氏のメッセージが伝わってきた。