香山リカ『老後がこわい』(講談社現代新書 2006)を読む。
精神科医を営みながら、新聞、雑誌などの各メディアで社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍している著者が、タイトル通り老後の不安の本音を暴露している。老後は男女や家族の有無問わず不安なものであるが、本書では仕事をしているシングル女性の視点に絞って、住宅や年金、介護、孤独死などについて語っている。著者の香山さんの普段の強気な文章とは違い、親の死に目やペットロスに耐えられない自信の心の弱さが綴られ、興味深かった。他にも介護施設や精神的喪失の分析など、専門的な見地から語られる話もあった。しかし、家族持ちの中年男性の自分とは異なる視点であったので、たいした感想も持たずにさらっと読み終えてしまった。
『老後がこわい』
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