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『まちがいだらけの自転車えらび』

エンゾ早川『まちがいだらけの自転車えらび―幸福な自転車乗りになるための正しいロードバイクの買いかた』(双葉社 2008)を読む。
実に同じ本を3度読み返すこととなった。SHIMANO製品やカーボンホイール、クリンチャータイヤを頭ごなしに否定し、GIOSのクロモリフレームにカンパのメカ、チューブラータイヤこそが本当の自転車乗りだと力説する。

トンデモ本だと思っていたが、実際にカンパのホイールを使用するにようになって、数値では表れない快適さが重要だと感じており、少し共感することができた。また小径車もとことん否定した上で次のように述べる。

百年以上の時をへて、どうして自転車のホイールというものが27インチ、ないしは26インチにたどりついたのかということに思いを致してもらいたいものである。

私もどうして何だろうと思い、今流行りのChatGPTに「自転車のホイールはどうして27インチないし26インチなのか」と質問してみた。すると、次のような回答があった。

自転車のホイールサイズは、歴史的に変化してきました。最初の自転車のホイールは非常に小さく、直径が約1メートル程度でしたが、技術の進歩とともに、より大きなホイールが使用されるようになりました。現代の自転車のホイールサイズは、通常、26インチ、27インチ、または29インチです。

26インチのホイールは、歴史的にはマウンテンバイク用の標準サイズでしたが、現在では、クロスバイクやシティサイクルなど、さまざまな種類の自転車で使用されています。

27インチのホイールは、かつてロードバイクで一般的なサイズでしたが、現在では、より大きな700cサイズがより一般的になっています。

これらのサイズは、一般的な規格として定着し、自転車のパーツやアクセサリーが互換性を持つようになっています。また、それぞれのサイズには、特定の利点があります。例えば、26インチのホイールは、軽量で加速が早く、27インチのホイールは、安定性が高く、長距離走行に向いています。

的確な回答である。さらに「27インチホイールはどうして安定するのか」と質問してみた。内容もさることながら、日本語能力の高さに驚く。

27インチホイールは、一般的に自転車やロードバイクなどの車両に使用される大きなホイールの一種です。安定性が高い理由はいくつかあります。

まず、大きなホイールは障害物を乗り越える際に、小さなホイールよりもスムーズに移動することができます。また、大きなホイールは、路面と接触している面積が広いため、路面の凹凸をより平滑に補正できます。これにより、乗り心地が向上し、バランスをとりやすくなります。

さらに、大きなホイールは高い慣性を持っているため、前後に揺れたり転倒したりすることが少なくなります。これにより、スピードを出している場合でも、より安定して走ることができます。

以上のように、27インチホイールは、大きな面積を持ち、高い慣性を持っているため、安定性が高くなっています。

『楠田枝里子の気分はサイエンス』

楠田枝里子『楠田枝里子の気分はサイエンス』(毎日新聞社 1984)を読む。
毎日新聞に連載されていた科学コラムの単行本である。内容は読みやすいのだが、衛星やIC回路、水晶に始まりおならや子宮、植物工場、プレートなど、物理、化学、生物、地学の幅広いテーマが取り上げられている。今更ながら、アモルファスの仕組みが理解できた。

『大好き!折りたたみ自転車&スモールバイク』

『大好き!折りたたみ自転車&スモールバイク』(辰巳出版 2010)を読む。
10年以上前の本だということもあり、あまり購買意欲が沸かなかった。欧州メーカーの自転車が多く、値段の方が気になった。当時18万円の自転車が、現在同等モデルで28万円となっている。円安も少し落ち着きを見せているが、値上がり幅に驚きを感じた。

『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』

福田和也『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』(PHP研究所 2001)を読む。
タイトル通り、著者が独自に編み出した読むコツや書くコツ、スケジュール管理などが紹介されている。特に、本を早く深く読む工夫として、気になったところや引用しようと思ったところのページを折っていくというところが興味深かった。この20年近く私が実践している方法と全く同じである。

また、雑誌やネットなど情報が溢れている中で、あえて現場に行くという点も参考になった。著者は本を書く際に対象の人物に関わりのある場所を尋ねることについて次のように述べる。ネット社会の現在だからこそ、大切にしたいことである。

現場に行く、ということはありあまる情報を、具体的かつ生き生きと読むための手続なのです。現場の雰囲気に触れることで、自分の枠を脱して、相手に思いをはせることができる。

(中略)私のいいたいのは、溢れかえる情報を、ただ整理するのではなく、自分なりに読み、消化し、それを表現するためには取材というプロセスが必要だ、ということです。そうすることによって、ただの情報が生き生きとしたものとして自分に迫ってくる。
だからこそ、取材とは読む筋道をつくるため、というのです。

『お金とカード』

宇都宮健児・武田裕子『お金とカード』(岩崎書店 1992)を読む。
高校生向けのブックレットのような本でサラッと読むことができた。安易にクレジットやキャッシングをしてしまうと、やがて泥沼の借金地獄に陥ってしまう。そのため衝動買いや無理なローンを組んでしまう自分を見つめ直し、「自分ルール」を作ることが大切だと説く。

1992年の本なのに、「『カード社会』『キャッシュレス時代』ということばを、きみもどこかできいたことがあると思う。サイフから現金を出してモノを買ったり食事をしたりするかわりに、カードを出せばハイOKという世の中のことだ。」という一節があった。日本ではこの2、3年でやっと本物のキャッシュレス時代になったというのに、今から30年も前の本に、「キャッシュレス時代」という言葉があったとは驚きであった。

つい先日、『カズレーザーと学ぶ。』という教養バラエティ番組の中で、カード決済時には脳の線条体からドーパミンが放出され、強い快楽を感じてしまうという研究結果が報じられていた。本書で指摘されているクレジットでの買い物に興奮を覚え、次から次へと高い買い物をしてしまう事例が実証された形である。

私自身、学生時代はクレジットカードが怖いと思っていたが、今ではキャッシュレスの方がポイントも貯まるので、現金支払いの方が損をしたと感じるまでになっている。自制が効かないことも多々あるので、戒めとしたい。