月別アーカイブ: 2022年2月

「ベネズエラ 増える児童労働」

本日の東京新聞夕刊記事より。
ベネズエラは日本の面積の2.4倍の912,050平方キロメートル、人口は2,795万人(2021年、IMF)となっている。

ベネズエラは、世界有数の石油産出国であり、同国経済は、石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は、オリノコ川北岸の超重質油も含め、3,038億バレル(2020年、BP統計(2021))と世界第1位を誇る。また、天然ガスの確認埋蔵量は6.3兆立方メートル(2020年、BP統計(2021))と世界第7位で、この他にも、鉄鉱石、ボーキサイト、金、ダイヤモンド等を豊富に産出する。

こうした資源国では、資源を国家で独占することができる、独裁的な左翼政権が誕生しやすい。ベネズエラも例外に漏れず、1999年2月、低所得者層の高い支持を得て、独裁的なチャベス大統領が就任し、新憲法の制定や低所得層支援の推進、ベネズエラ石油公社の掌握を通じた経済活動によって、国家管理体制が強化されていった。

チャベス大統領の急逝後、2013年4月にチャベス大統領の後継者であるマドゥロ大統領が就任してから、より独裁色が強くなっていく。2019年2月には、米国との外交関係の断絶を発表、在ベネズエラ米国大使館閉鎖も閉鎖されている。さらに、イラン、ロシア等との関係が強化され、近年は特に、経済・金融を中心に中国・トルコとの関係を強化し、2019年8月には北朝鮮にベネズエラ大使館が開設されている。

2017年11月以降、ハイパーインフレーションが継続し、GDPは2014年以降マイナス成長となり、GDPは約80%減少もしている。政治社会情勢やインフラ悪化によりベネズエラ国民の国外流出が増加。特に、2019年の一連の情勢悪化を背景に急増し、これまでに約570万人のベネズエラ国民が近隣諸国(特にコロンビア、ペルー、チリ等)に流出する事態となっている。

『ダークルーム』

近藤史恵『ダークルーム』(角川文庫 2012)を読む。
表題作の他、7つの短編ミステリーが収録されている。大掛かりな謎やどんでん返しはないのだが、同性愛や不倫、不貞など、人の心の隙間をテーマにしており、読者を飽きさせることがなかった。

「カタールの天然ガス カギ」

本日の授業で紹介した記事より。
ウクライナ情勢が一日ごとに緊張を増している。そうした背景の一つに欧州の天然ガスの問題がある。環境に敏感な欧州は、パリ協定(国連気候変動枠組条約締約国会議COP21))においても、脱石炭火力発電を主導する立場となっている。ドイツやオランダといえども、まだ現状は再生可能エネルギーだけで国内のエネルギー需要を満たすことはできない。天然ガス火力発電と、原子力発電を二本柱にしているフランスなどの例もある。

記事の中の地図を見てもらえば分かるが、天然ガスが豊富なロシアから何本もの天然ガスパイプラインがEU諸国に接続されている。ロシアはスイッチ一つで欧州向けの天然ガスを止めることができるのだ。多くの工場を抱えるEU諸国も産業を止めるわけにはいかないので、いざウクライナ戦争が勃発しても停電

『Still Dreamin’ ―布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズムー』

布袋寅泰アーティスト活動40周年記念ドキュメンタリー『Still Dreamin’ ―布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズムー』(東宝 2022)を観に行った。
映画の構成としては陳腐なものだったが、私にとってドストライクな映画であった。BOΦWY解散後、ロンドンに移住し子どもの頃に憧れたミュージシャンと共演するまでに成長していく姿が描かれる。そしてそれはこの30年間の布袋自身の物語ではなく、同じ時間を共有した観客一人一人が30年前を振り返り、夢を追い続ける自分を発見する物語となっている。

私自身も浪人生時代に駿台予備校の帰り道、『GUITARHYTHM WILD』を聴きながら、将来の自分の憧れの姿を想起していたことを思い出した。一体自分は30年前に思い描いていた自分になっている、いや、なり続けようとしているのか?

「五輪外交で欧米牽制」

本日の東京新聞朝刊記事より。
一昨日から北京五輪が開幕した。五輪はもちろんスポーツの祭典だが、それと並行して政治や経済の祭典も開催される。G7やG20加盟国ではない国の首脳も一堂に会するので、条約や貿易に関する交渉もエキサイトする。日本を含む英米に近い国は、新疆ウイグル自治区や香港、台湾での人権侵害を理由に「外交ボイコット」を展開しており、選手は参加しているが、政府関係者は一切参加してない。

日本の場合、中国を無視も出来ないので、室伏広治スポーツ庁長官の派遣は見送ったものの、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長と、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長を務めた橋本聖子参院議員の派遣を決めている。

閑話休題。
記事によると、中国・習近平国家主席は、カザフスタンやトルクメニスタン、エジプト、セルビアの大統領と膝を交えたとのこと。ミャンマーの軍事政権やアフガニスタンのタリバン政権の関係者こそ参加していないものの、中国と経済面だけでなく軍事面でも関係の深い国の名前が並ぶ。「一帯一路」経済圏構想が貿易・流通の加速化だけでなく、武器・弾薬と独裁政権のノウハウまでが世界中に広がっているような気がする。