第42回直木賞受賞作、司馬遼太郎『梟の城』(新潮文庫 1959)を読む。
故郷の壊滅の復讐という伊賀忍者の使命を胸に、殺伐に明け暮れる男たちの熱い生き方を描く。手裏剣や撒菱、水蜘蛛などの忍者の必殺アイテムが登場したり、大スペクタルな戦闘シーンや濡れ場シーンなどもあったり、読み応えのある作品であった。
特に織田信長の次男の織田信雄による伊賀地域の2度にわたる制圧(天正伊賀の乱)や信長、秀吉、家康の3者の関係、家康と服部半蔵(同じ名前で何人もいるが)の関係など、史実に基づいたエピソードが勉強になった。