疋田智+片山右京+今中大介+勝間和代+谷垣禎一『自転車会議!:なぜ、各界のトップランナーは自転車を選ぶのか』(PHP研究所 2009)を読む。
自転車に未だ乗っていない人向けに、自転車の魅力やメリット、より多くの人に乗ってもらうための改善点、女性向けのアピールポイントなどなどについて奔放に語られれる。
ヨーロッパの3大スポーツがサッカーと自転車とF1だという話は興味深かった。
その中で、疋田氏の指摘が面白かった。流石テレビマンならではの鋭いコメントだと思う。
多くの日本人はスポーツ自体、たとえばプロ好みの技術がすごいとか、フォーメーションがおもしろいとか、そういうのをそこまで観て、楽しんでいないと思うんです。単純に、競技を観るんじゃなくて、一対一の対決、勝負が見たいわけですよ。だから、顔をアップするのが大好きなの。サッカーは、顔のアップが出いないでしょう。だからあまり受けない。これに対して、野球と相撲は、まがりなりにも日本でプロスポーツとして隆盛を極めていますよね。二つとも、一対一の対決で顔がアップできるんですよ。マラソンもそうです。二時間半ぐらい単に走っているだけでも、ずっと観るでしょう。それはやっぱり顔をアップにできて、そこにドラマが見えるから。これは事実だと思うんです。
(個人の)対決の中に、おそらく人間ドラマを見たいわけです。対決だけじゃなく、仲間同士の人間ドラマだってある。で、それらが、すべて含まれているものって、実は「ツール・ド・フランス」だったりすると思うんです。顔はアップできるし、人間ドラマがある。個を殺してチームワークで勝利するみたいな物語もある。そして尚且つ、長いじゃないですか。ペナントレースよりは短いけれど、23日間ぶっ続けで中継できます。これはもう、「ツール・ド・フランス」に日本人が出て優勝でも争ったら、連夜の視聴率30%になると思っているんですよ。