関口和夫『自転車ライディングブック』(高橋書店 1988)を読む。
30年近く前の本であり、ロードバイクのライディグテクニックやメンテナンスよりも、この30年の間の自転車の技術革新の方がびっくりした。1980年代後半当時は、今や常識となったSTIレバーやVブレーキも当時は存在せず、ビンディングやクイックレリースも一般的ではなかったのだ。またヘルメットを被る習慣もなく、リムテープすらないのである。
ちょうど私がブリジストン社製のロードマンという自転車に乗って、小田急線の鶴川駅や相鉄線の三ツ境駅まで少しだけ遠出をしていた時期と重なる。芥川龍之介の「トロッコ」ではないが、無計画に自転車で遠くの町までやって来て、陽が沈みかけ、これから家まで帰るのかと自分に言い聞かせていた時の光景を少し思い出した。