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『ぼくたちはこうして会社を辞めて生きている』

中大サイクリング同好会OB『ぼくたちはこうして会社を辞めて生きている』(窓社 2000)を読む。
刊行当時37・8歳で、脱サラを経験した中大サイクリング同好会のOBたちが、会社員時代の経験や脱サラした当時の状況、現在の仕事について語る。タイトルにもある通り、会社を辞めるという人生の岐路を経ながらも、自分らしく、またより柔軟に時代の流れに乗りながら仕事を始めていく経緯がぽつぽつと綴られる。
興味深い一節があったので紹介しておきたい。

 サラリーマンには二つのタイプがあるように思う。
 ひとつは、流れにまかせて「寄らば大樹の陰」とばかりに給与所得者を選択もしくは継続する「会社員」的サラリーマンで、彼等は「個人の反語は会社である」と信じて疑わない人々である。
 もう一方は「個人の反語は社会である」との公理を理解したうえでそれでも給与所得者を継続する「社会人」的サラリーマンだ。
 前者は迎合し、後者は内にも外にも分裂を繰り返す。