東京都歴史教育者協議会原作『マンガ 天皇制を知るための近現代史入門』(いそっぷ社 2003)を読む。
「日本史A」の学習指導要領のレポート作成のために手に取ってみた。
タイトルに「マンガ」とあるが、最初から最後まで歴史教師の父と娘の会話だけであり、ページの3分の2近くは吹き出しの歴史的説明で占められる。普段あまりマンガ読まないので、すんなりと読むことができたが、若い人の受けはあまり良くないであろう。
内容は、江戸末期の「尊王攘夷」から2000年代前半の新しいナショナリズムに至るまでの、天皇制と政治、戦争の関係が丁寧に説明されている。特に、天皇親政や元首化を目指す右派と、天皇制を権威だけを借用しようとするGHQや戦後の自民党主流派、天皇の大衆化を外交的・政治的に利用する新自由主義派の違いなど、なかなか一筋縄では理解できない保守政治の側の動きがよく理解できた。
月別アーカイブ: 2014年5月
『独白するユニバーサル横メルカトル』
平山夢明短編集『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社 2006)を読む。
第59回日本推理作家協会賞を受賞した同タイトル作のほか、7作の短編集が収録されている。
ミステリーともホラーとも違う、「異形」と称される世にも不気味な設定の物語が並んでいる。
感性が合わなかったのか、仕事に忙殺されているためか、いまいち物語世界に浸ることができなかった。
『いつだってバイクさ』
万沢康夫『いつだってバイクさ』(筑摩書房 1988)を読む。
先日テレビで見た『バイク芸人』に影響され(寝た子を起こされ?)、すっかり深夜にネットで中古車バイクの情報を渉猟する日々が続いている。
ファミリーバイク特約が契約できる125ccのオフ車がスクーターが良いのでは、台湾製もいいし、スーパーカブの原付2種も捨て難い、などなど妄想が頭なの中を駆け巡っている。
そんな折に、少々古い本であるが、著者の経歴と合わせて、日本におけるトライアルやトライアル車の歴史が分かる内容となっている。現在も継続しているイーハトーブトライアルの前史など興味深い内容となっている。後半は「二輪車安全振興会」の立場からの発言になってしまうが、バイクに乗ることのドキドキ感が再び蘇ってきた。
『松本人志 愛』
松本人志『松本人志 愛』(朝日新聞社 1998)を読む。
雑誌『UNO!』に3年にわたって連載されたコラムがまとめられている。
現在であればブログで発信するような内容のタレント本である。
テント日誌より転載
「経産省前テントひろば」のメーリングリストになるほどと思う文章があったので転載してみたい。
テント日誌 5月9日(金)
経産省前テントひろば971日目 商業用原発停止236日
都知事選の後の行動が注目されていた細川・小泉の両氏も動きをはじめたらしい。政府筋は故意に無視する態度を取っているが、それだけ気をかけていることを逆に物語るのだと思う。選挙がらみで傷痕を持っている人も少なからずいるとのことだが、脱原発運動のことを思えば彼らの動向に注目し、提携を考えるのは当然である。彼らの本気度というか、やる気を僕は率直に評価する。政治的というか、党派的なところに引き込まれる事を警戒し、自分たちの役割を国民運動に絞ろうとする態度も好感が持てる。政党の現状を見ればこれはとても大事なことである。既得権益に足を取られて曖昧な態度をとる連合やそれに引きずられている民主党の無残な姿(例えば原発輸出に対する対応)を見る時、この辺のことを彼らなりによく考えての戦略であると思う。将来はともかく、現在の政治党派は脱原発―反原発運動に対して意味のある存在ではない。黒子に徹して背後から支援するのが最良のあり方で、それ以外はいいことはないのである。それが現状である。
再稼動時の反対行動やその動きがどうなるかは分からない。だが、大飯原発再稼動時の反対運動の限界もよく見えているはずで、それを超えて行ける可能性があれば、そのことにアンテナと視野を延そうとするのは当然である。想定外のことが起きたり、出てきたりするのが運動だが、残念なことにかつて革新陣営と呼ばれていた系譜の運動にはその可能性がほとんどない。これは僕の独断であるが、経験的に見てこのことは確かであるといえる。それを訂正する必要のある運動が生まれればいいのだが…… (三上治)